1950

後折りには連結の受けが重要だとする考え

by
もくよう
もくよう
長文記事につき、耐性のない向きは注意。一応、無駄話はしてないつもり。保証はしないけど。

[後折りが失敗するとき]

 「後折りって何で組みにくいんだろう?」と考えたこと。あると思う。先折りに比べてちぎらざるをえない形が多かったり、ちぎってなお形が悪かったり。答えは簡単。連鎖の形が固定されすぎているからから。形が固定されると制約が増える。制約が増えると捌けないツモが増える。まさに負の連鎖。当然、解消法を探ることになる。固定箇所が多くて崩壊を招くのだったら、連鎖尾、折り返しのどちらか、あるいはその両方の柔軟性を上げてやればいいわけだ。

 柔軟な後折りを組むためにどのような工夫をしているか。一般的な対処法を見てみよう。

折り返し→GTR+α:座布団L字、DT砲、なめくじ等扱う形を増やす
連鎖尾→+α:鶴亀、潜り込み等少ない色を先送りにする

 他にもあると思うけど、だいたいこんなもんでしょう。うん。高効率の連鎖で盤面を埋めていくという観点からみれば実に自然な流れだ。実際シミュレーターでゴミぷよを出さないように形を検討するならそうなるよね。でもね、これらは実は重大な欠陥を内包している。(と思う。)それは「段差処理」と「色制約」。今日後折りぷよらーに流布している土台の柔軟性を上げるための方法は基本的に「形のストックを増やし続けること」だけで、「段差処理」と「色制約」まで考慮したものになっていないものが多い。そしてこれらへの理解が深い向きはかなり少ないと感じる。形を真似することで覚えていく人はこれらの事実に気づきにくいための、特に初心者が苦労する悩みの種となっている。(先折りでも同じことが言える。超上級者に食い込む実力者でも、覚えた形の数の暴力で解決してしまっているせいで深い理解を得られないまま強くなってしまった人は多い。)

 ちょっと待って。軽々しく「段差処理」と「色制約」っていったけど、それって何?という人。いるよね。なんとなく字面からわかりそうだけど、、、みたいな人も多いと思う。簡易なかたちではあるが、補足しておこう。

「段差処理」!

 まず、段差処理に失敗した分かりやすい例をみてみよう。



 連鎖効率は申し分ない。しかし、どの例でも特定の列に崖が生じているせいで全体のバランスが非常に悪くなっている。段差処理を考えず目先の効率のみに囚われてしまうと、後でちぎりが発生しやすくなったり、ハチイチ、ジュウロクイチでしか崖の解消が困難だったりと、後々の戦況に大きく響いてくる。(二列連鎖尾+四列多重折りなどに長けていればツモに頼らずの解消も難しくはないが、難しい処理を求められる時点で形としては弱いし、段差処理によって生じる弊害は他にも細かな部分でたびたび散見される。なので今回はそれらは論の外に置かせてもらう。)

「色制約」!



 画像の四列目四段目の青ぷよ。回収しなければ暴発するし、無理やり回収しようとするとかなり形が難しい。残しが悪くなるのを覚悟して単発で解消するしかないレベル。下の鉄ぷよ部分のように、そもそも何色も置けないといったことも起きてしまう。厳密にタブーが存在していなくても三連結を集めすぎるとその周辺に置けるツモが限られてくるのはみんなが共有している経験だと思う。



 このように、色制約は連鎖を組む際の前提レベルで重要なことだと言える。

[一つの解法]!!

 前置きが長くなってしまったがやっとタイトル回収できる。前述の問題を解決しうるのが「連結」だ。連結の受けを広くする、つまり連結可能な部分、数を増やすことで不要なゾロツモを既存の連鎖の連結として消費できる。先折りよりも制約が強い後折りは、不要なツモの許容量が先折りに比べて少なく、決壊ラインを越えやすい。よって単純な机上論では、後折りの弱点は「連結の受け」を広くすることである程度カバー可能だと言えることになる。

例)

http://www.puyop.com/s/_88dgdoiybu1M3w2udw5I5aaE0KbQ6mfsiC6Mc80CgQ5ma0a0
連鎖尾の芽を残しつつ、段差の調節をしやすい。

[多連結後折り土台:新くま積み]

 本記事の思想にかなり近いので取り上げる。

追記)
本来の新くま積みは両折り土台らしい。私がネットに潜ったときは後折りオンリーでもわりと問題ないと感じたので、そこは個人の解釈によると言えるかもしれない。一応、その辺の事情を考慮して“結果的に新くま積みと同じ思想を持った形になる後折り土台”としておく。

※サンプルは私の手順。あんまり練習してないので稚拙かも。
例1)

http://www.puyop.com/s/_m8cg7qjsim6SmmmmdA8qnIiScocElagujGmM78mubKbAb0b0
例2)

http://www.puyop.com/s/_lcok6s4g5ciynQnE88o8jA8Q6SkAks0Efo5ink3AgEiMj0j0

 適当に引っ張ってきた手順ではあるものの、連結によって段差処理を行った手が複数でてきている。ツモによって程度の差はあれど、「連結の受け」を意識することで段差処理しつつ連鎖として捌けるツモが増えるのはある程度的を得ていると言えそうだ。

 ところで、これまでの考察を踏まえて、連結土台(連鎖尾)の特徴を一度まとめてみよう。

・(連鎖数が大きいほど)火力が伸びやすい
・不要ツモの処理がしやすい
・段差処理←新くま積みは完成形の連鎖尾の高さが他の土台よりも高い。その分“調整”に充てられるツモが増えるので安定しやすい。
・色制約

 新くま積みに限ったことではないが、重厚な土台は一度連鎖尾を入れきった段階で既に連鎖尾として、第二折りとして丁度いい高さになる。(斜め伸ばししやすい高さのこと)



 合体戦術は連鎖尾が伸びにくいことによる火力の停滞がよく問題になるが、多重を入れきった状態で連鎖尾方向に自然に伸ばしていったときに必要な連鎖尾の高さが一致していれば難しい多重に思考リソースを割くことなく連鎖が安定する。

 なお、弥生時代も多連結土台の代表格として名を馳せている。しかし、今ほど書いたように、純正弥生時代の完成形の連鎖尾は土台の理想的な連鎖尾の高さに対して高さが足りない。試合の自然な流れで連鎖尾の付け足しを行うことになるために連結土台としての矛盾が生じて、非常に無駄が多いといえる。その点が他の「厚い多連結土台」と異なるところ。全消しや速い攻めが相対的に弱体化されたぷよスポで使われなくなった理由でもある。(弥生時代の弱点である連鎖尾の高さを歪なかたちで克服しようとしたのが戦国時代。どうみても無理がある形なのに、ぷよスポではワンチャン弥生時代よりも強いかもと錯覚してしまう(実際に強いかも知れないが)のは攻めの鋭さの他にぷよスポが求める「火力が出せる土台の高さの最低ライン」を満たしていることも一つの要因と言える。)

弥生の弱点と理想との格差


 適当に多重増やしたけどこの時点で圧倒的に連鎖尾の高さが足りてない。

[先折りの強みを取り入れた後折り土台]

ここまで、後折りにおける連結の重要性を探ってきたが、全く異なる方法で土台の柔軟性を上げることに成功した土台を一つ紹介する。(他にも成功例はあると思うので知っているかたはぜひ教えて欲しい。簡単に思い付くのだとnona積みなんかが近いよね。)



 これ。極端に土台の骨格部分を薄く、コンパクトにすることで、先折りと同等レベルまで形のバランス調整に充てるツモを増やせる。物理的に段差処理に充てるツモ数を増やして綺麗な土台への解答を実現している。



 適切な連鎖尾の高さになるまでの猶予がたくさんある。

※記事で伝えたいことはここまで


考察の副産物として、後折りには少なくとも

1連結によって高さや段差など細かな調整を行いやすい高く厚い土台
2先折りの強みを取り入れた低く薄い土台

が存在することが判明した。これらに当てはまらないものの、組みやすいために一般に広まっている後折り土台↓はどっち付かずの中途半端な土台だと感じる。(弱いと言ってるわけではない。)



 こんなやつね。見たことあるでしょう。おおかた綺麗に組めるものの、1,2のどちらのメリットも得損ねているために一定の割合で無理なツモパターンが存在することを許してしまう。




 こんなところかなあ。なお、以上は全て私の机上論にすぎないところには注意。もちろん、長いプレイ時間を経た上での論なので全くの的はずれではないと願いたいが、正解の保証がないのも事実。まあどう受けとるかは個人にお任せする。



 
更新日時:2020/09/11 09:18
(作成日時:2020/09/10 18:12)
コメント( 0 )
コメントするにはログインが必要です
シェア