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答えを求める人間に教えてはならない

by
shokutama
shokutama
コーチング、についての話です。
初心者に限らず色々な人がぷよぷよというゲームで分からない事、どうすればできるようになるのか、と質問を投げかけている。
なんせこのゲームは難しい、よくわからないことだらけだ。私だってもちろんそうだ。連鎖とは何ですか?という問いに達磨大師が答えるなら、「不識、わかりません」と答えるだろう。それくらいわからない。今の例えくらいよくわからない。
ここに寄せられる質問、そしてその回答の中で、どうにもそれは意味がないんじゃないかと思うことがあったので記事にした。
問題解決の場面でも使えると思うので暇な人はぜひ読んでいただきたい。


かの有名なドラゴン桜において、「目の前に飢えた人がいたとしてあなたはその人に何をするか」という教育における生徒を飢えた人に置き換えた質問を、弁護士の桜木(この人って主人公でいいのか?)が学園の教師にQを投げかける場面がある。
これは孔子の言葉、授人以魚 不如授人以漁 にあるようで、要は魚をあげても一日で食べてしまうが、釣りの仕方を覚えれば一生くいっぱぐれないぜという教えである。
人にものを教えるという行為は、もし自分がいなくなってもその人間が自立して歩んでいけるようにするためのものである、いわば自立心を育むためのものだというわけだ。

私は、10年塾で子供をみてきたが、まあいろいろなクソガ・・・坊や共がいるわけだ。
もちろん私の話に興味を示し慕ってくれる子もいれば、私の話を鼻で笑い世界で一番自分が偉いと信じてやまないようなクソガ・・・bratもいらっしゃったのだ。
世の中には、とんでもないモンスターというのは存在するもので、そのモンスターは算数の問題をみて2秒できないと判断すると、「答え教えろ」と要求してきたのだ。
もちろん皆さんの中には「数学で分からなければすぐ解説をみろというのは定石」と主張する人もいるだろう。

私はその考えが間違っているとは思わない。ただその理論が高校までの数学と離れた大学以降の数学、数学に限った話ではないと思うが、それに通用する考えだとは全くもって思わないし、まあいいんじゃないひたすらに平凡なだけでいいのなら、と思っているくらいだ。

しかし、あなた方の考える解説見ろというものは、ある程度理論に流れがあるものは見るべきだという主張だと思う。
このモンスターの要求は分数の引き算の答えがわからないから見せろ教えろ、だったのだ。
ああやり方がわからないのか、じゃあ仕方がない教えるか、と思い教える。
1問解き終わる。
次の問題でこう聞くのだ、「答え教えろ」と。
さっきのはなんだったんだ、と思うが冷静になれ俺は大人BECOOL・・・そう私はCOOLだと言い聞かせ、再度教える。
1問解き終わる。
よしもう大丈夫だろう、他の子をみようとする。
呼び止められる。

「答え教えろ」

おでこからベガがにょきっ!と出てきてサイコクラッシャーをキメたいと思ったのは産まれて初めてだった。
今思えばその一連の流れは
魚を大量に釣っておいてしばらくの間大丈夫だろうと思っていたら、一日で食いつくされたあげくおかわりを要求してきた
といっても差し支えないだろう。
この話は私がブチギレかけているのを察した(実際ブチギレていたが)教室長が間に入ることで終焉を迎えた。そして私はその子が辞めるまで、その後その子と一切話すことなかった。

さて、この話を聞いて皆さんはどう思っただろう。私はひどい人だろうか。わからない子がわかるようになるよう教えるのが教育だとおっしゃりたい方もいるだろうか。

もしそうなら教育に過剰な期待を持ちすぎだ、幻想だ。
考えるという行為をしない人間は短慮ですぐ目先の答えを求める

というのが私の答えだ。

私はこの案件を自分の失敗だと捉えている。
それなのになぜそういうかといえば
「私が」「その子に」「『考えさせる』という作業をしなかった」からである。
やり方は確かに、正しく教えた。
しかし、なぜそうなるのか、なぜそうするのかをきちんと考えさせたか、それをすべき理由を納得させたか、といえばそうでなかったと思える。
言い訳をしようと思えば、元から相手が自分のことをうるさいやつとしか認識してない信頼度だったからそれは無理だったともいえるし、もともと考える能力を持ち合わせていない相手だろ、ということもできる。
しかしそうしても自分の利益にならんので・・・

さてようやく、ここでぷよぷよの話になる、自分語りがながくて申し訳ない。

まず、教えを乞う人間は自分のプレイ動画を用意しておくべきだ。
具体的に何ができないかわからないと教える側は何もできない。説明できればいいが、そこが説明できるのなら多分停滞しないはず。
PS4だと確かYOUTUBEに投稿できる機能があったはずだ。
スイッチだと30秒しか動画が取れないが、最悪の場合それでいいだろう(QRコードを使ってスマホへ転送できます)。キャプチャボードでPCに取れるならそれでキャプチャすればいい。
スチームも同じくキャプチャすればいい。

ぷよぷよにおける停滞、悩みというのはいくつかのセクションに分けられる

(1)一番ベーシックな連鎖能力

雑に言えば8連鎖以上できません!みたいなやつである。
5連鎖程度はまず、どうすれば連鎖ができるのか

1段目と2段目に2色で3個つんで2段目の上に1段目の色と同じものを置いておけば2段目が消えれば連鎖になる
階段型
かぎ型

の三つに気づいてもらうことが大事だろう。この投稿の通り、教えるのではなく気づいてもらうことが肝要だと肝に命じておこう。

8連鎖以上の場合、まずはどういった形を使っているか確認したうえで、それぞれに応じた折り返し系の技術を教材とした示すべき、つまり具体的に教えてあげるのがいいだろう。
教えない、をコンセプトにしておいて何言ってんだと思われるかもしれないが、要は教科書は必要だよね、これを始点に考えを広めていってねということだ。
そのうえで、N連鎖まではできる、という人にはN連鎖を出すことの頻度、スピードを追い求めていく必要があることを理解してもらう必要がある。

連鎖数がでない、という悩みについては、基本的なインプットが足りない場合が多いので、考えさせるよりもいろいろな情報を提示すればいい。

(2)スピードが足りない
まず一緒にプレイ動画を見ることをオススメする。文章にすると多分死ぬほど面倒だろう。
面倒でもいい場合、まずは動画の中の試合で早く組めている試合とダメな試合を取り上げ、比較をさせる。

ダメな試合では、プレイ速度を下げさせるような正しくない捌きをしていて例えばハチイチでしか待てない形になっているなど、千切りすぎ、単発のしすぎ、ある列に無駄に高く積もっているなどが原因で、後のプレイに迷いを与えてしまいスピードが下がってしまう、という問題を抱えているだろうし、そもそも一回一回悩みすぎということもあるはずだ。
これらに該当する部分を「どう思うか」と投げかけてみよう。同時に該当しないがよいと思ったプレイをとりあげて「ここはどういう意図で?」と質問しよう。期待通りの返事だったらとても良いと認めてあげるといいだろう。

個人的に最近取り入れたトレーニングだが、連鎖の終わりが1分以内になる、30~40秒にタイマーを設定して、プレイ開始と同時にタイマースタート、タイマーが鳴り終わるまでに連鎖を発火できなかったら失敗、発火したらその得点を記録、自分で設定した目標得点に達していなければ失敗、達していれば成功とし、その成功確率を高めるトレーニングをしている。心なしか連鎖スピードが上がった気がする。そう思いたい。


(3)連鎖能力が上がらない

13連鎖以上が安定しない場合。どこかしらで連鎖が小さくなる要因があるはずだ、おそらく直後のツモを考えると最適でない置き方をしている、そこに置くと暴発を誘引しやすい積みになってしまう、など。正直自信はない。それをうまく見抜くことができる自信があるなら積極的に指導するのがよい。というか教えてくれ。
問いかけは今までと同じよう悪かったところよかったところ両方を挙げて、どうしてこう積んだかと聞いてみよう。

(4)凝視
凝視は感覚的に過ぎる。どういったところを見ればいいのかを教えることは可能だろうが、教える側の人間には、プレイヤーに凝視をするという感覚を捻じ曲げることはできない。不可能だ。
ただ凝視ってどうすればいいのか、という質問をするのは初級者に多い。私もそうだった。そして今もできてない。
そういった人には凝視はまだ早いということになるが、なぜ早いのかを納得させる必要はある。

まず第一に見ても何もわからない可能性が高い。当たり前だが自分で組んだ連鎖がどの程度の大きさになるかは推量するのは可能だが、自分ではない人間が組んだ連鎖を把握するには時間がかかる。
この時間がかかりすぎれば見えても自分のフィールドがおざなりになる可能性もあるし、見た情報を正しく認識できてないことだってあるだろう。
そして見えたところで、例えば3ダブが見えたところで、自分に対応に回せるような積みができていない、例えば4連鎖を組むには本線がもうつながりすぎていて、4連鎖を組むスペースがないのような、そういった場合は雑に対応するしかない、例の場合なら本線を撃つしかないだろう。

まだまだ指導をするうえで着眼するべきポイントはあるだろう。どんどんこれもありますよと紹介してほしい。
作成日時:2024/08/09 00:45
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