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~なぜ「新世代」は火力が高いのか~(個人の見解) ぷよらーアドカレ17日目

by
Nerine-ねりね
Nerine-ねりね
#ぷよらーアドカレ2025 12月17日担当のNerine.と申します。

軽く自己紹介させてもらうと、島根県出身のテトリス歴7年、ぷよぷよ歴3年の17歳(’07世代)です。
一応ちょっと前までテトリスの40ラインで31位でした。ぷよぷよの最高レートは3077です。

今回はどんな話題でもいいということで個人的に最近気になっていた、現代の「火力」についてフォーカスしてみようかと思います。

※前提として、この記事は何名かのぷよらーの名前(敬称略)、大会名を出しますのでご了承ください。
※特定の人物を批判し、またはひいきする内容ではありません。取り上げているものはあくまで全て一例です。
※各戦術・能力等で序列をつける内容ではございません。
※あくまで個人の見解なので、実際とは異なったり他のプレイヤーの考えと干渉してしまうことがあります。

1.議題
上記の通り、今回は「火力」に焦点を当てていきたいと思います。
昨今台頭してきたプレイヤー、例えばやまだ、のらすけ、ゆうき……。このあたりの、最強リーグ以降に登場したプレイヤーをここでは「新世代」と呼びます。更に、マッキーやともくん、deltaなど、S級リーグ以降に活躍し続けているプレイヤーを「最強リーグ世代」と呼ぶことにします。そして、主にS級リーグ時代に活躍した、(当時)四強、(当時)若手三強(または若手四強)などのプレイヤーを「S級世代」と呼びます。
S級世代の時代には、不定形連鎖や「後折り返し」と呼ばれる、右側を折り返しとする連鎖がメインに組まれてきました。そのため不定形で形が安定しなかったり効率が現代ほど良くなかったりで、7~8万点でも比較的大きな本線でした。しかし、2018年に、伝説のプレイヤーまはーらの影響で徐々に先折りが浸透し、その中でも「先折りGTR」を現代のぷよらーの大半が組むようになりました。ここで大きく本線火力の引き上げが起こります。これまで7~8万点ほどだった大火力の指標が9万点ないし10万点ほどになりました。更に最強リーグが開催され、最終的な大火力の指標が10万点以上、あるいは11万点以上にまで引き上がりました。
そして2022年以降、新世代が台頭してからの彼らの本線火力にはすさまじいものがあり、11万点でも足りない……。12万点、13万点が瞬く間に飛び出してくる。そんな世界になってきています。

S級時代から最強リーグ時代にかけて、盤面効率が顕著に上がったり、画面上部の操作技術、手順が洗練されたり、更にはゲーム機などの性能が向上して操作制度が上がったりと、様々な要因で火力が上がったことは容易に推測できます。
しかしここで私は疑問に思いました。最強リーグ世代のプレイヤーと新世代のプレイヤーの間にも大きな火力の差があります。最強リーグで採用された「ぷよぷよeスポーツ」は現在も開催されている新おいうリーグでも採用され、同じタイトルです。確実に「機種差」や「ゲームタイトル差」ではない完全に操作技術、プレイスキルの進歩があったと考えられます。
では、
なぜ「新世代」は火力が高いのか……?
今回はこの議題で進行していきます。

しかし、最強リーグ世代やS級世代も新生代に火力が劣っているわけではありません。例えば、ともくんは新世代に火力で勝てないというようなことを言っていたこともあるが、実際公式大会や公認大会でも凄まじい火力で星を取る場面も多くみられます。実際に、公式大会最大連鎖の17連鎖をたたき出したのはともくんです。S級世代でも、例えばmomokenは最強リーグで常に優勝争いに君臨していたのには、中盤能力だけでなく若手相応の火力も持ち合わせているからだと思います。
ただ、それを凌駕するほどの火力の安定度を、新世代の彼らは備えています。

2.高火力のワケ
S級世代から最強リーグ世代ほど顕著ありません。むしろほんのわずかですが、最強リーグ世代から新世代の間にも効率の向上はあります。
では、個人的に考えたどり着いた効率向上の主な理由を2つほど説明します。

・本線寄りか中盤寄りか
ここ1~2年の最上位勢の流行りとしては、相手(特に新世代)に超高火力本線を打たせないために、ゴリゴリの中盤戦で勝負するというものになってきています。その背景には、冒頭で取り上げたともくんの「火力で勝てない」ということが一つ上げられます。「火力で勝てないのなら、中盤戦で勝負すればまだ自分にも分があるじゃないか」ということです。
しかし、火力で勝てないから中盤戦を組むと言って本線を疎かにするわけにもいきません。ここで「本線寄りか中盤寄りか」ということが読み取れます。

まずは最強リーグ世代の盤面構築から解説していきます。
 
左画像は新おいうリーグのとある試合のdeltaの盤面で、赤で本線発火しています。この試合は両者とも比較的本線よりでしたが、遅い中盤に差し掛かろうとする場面(右画像)で、連結を増やし、本線構築をしつつ相手の攻撃が来たら瞬時に対応出るように構え、足手にも威圧感を与えるような形になっています。その後そのまま本線構築をして左画像のように発火しました。しかし、構えていた連結は中盤戦で使わなかったため、連結の多い本線となりました。結果として、deltaの火力は14連鎖10万3000点となりました。

これに対して新世代の構築を、のらすけを例に見てみましょう。
 
左画像は、同じく新おいうリーグのとある試合ののらすけの盤面となっています。先ほどのdeltaの盤面と同じ遅い中盤に差し掛かるタイミングの画像になります。右画像を見ると、deltaの盤面よりも催促・対応で使うような連結が少ないことが分かります。もちろん毎回このように構築しているわけではのらすけを含む新世代が火力よりの構築をすると、ほぼ本線よりになります。
余談ですが、もちろん中盤の対応は全くできないわけありません。ではどこから催促・対応連鎖が出てくるのか。それは本線構築の中で、連載になりそうなルートを瞬時に見つけて実現しています。なので、個人的には連鎖の応用能力・発見能力という点では新世代以前よりも新世代の方が高いのではないかと思います。
では本題に戻りましょう。右画像のような中盤を経た後、向かった先は直行で本線です。結果的に野良助の火力は13D15連鎖の12万6000点となりました。

例に出した2つの試合ともdelta対のらすけの試合ではありませんが、最強リーグ世代と新世代の火力差の裏側には、本線に寄るか中盤に寄るかの違いが一つあると思います。
先ほど余談で述べた通り、連鎖の発見能力は新世代の方があると思っています。しかし、そもそもの中盤力はまだまだ最強リーグ世代以前のぷよらーの方が高いと個人的に思っています。そこの「本線力と中盤力のバランス」で上手く均衡しているのではないでしょうか。

・安定とリスク
ここでのリスクは、本線を伸ばすリスクを指します。
結論から述べると、新世代の方が最強リーグ世代に比べてリスクをとる傾向にあります。先ほどのdeltaとのらすけの連鎖構築の画像はどちらも先打ち発火時のものです。見てわかる通り、明らかにのらすけの方が盤面全体を使って限界まで連鎖を組み進めていることが分かります。当たり前ですが、画面上部に行けば行くほど窒息しやすくなります。しかし新世代のぷよらーは最強リーグ世代以前のぷよらーと比べても本線発火率に著しい差はないように感じます。つまりこのことから出される結論は、画面上部での相手の攻撃に対する対応、いわゆる「凌ぎ」の技術力が新世代は高いことが分かります。その凌ぎ技術で画面上部を耐え、最終的に飽和本線を発火することができるというわけです。逆に言えば、最強リーグ世代以前のぷよらーは安定の取り方やリスクの取り方・取る場面の見極め、又その技術が優れていると言えます。
ここまでは先打ち時の本線について解説しましたが、後打ちではどうでしょうか。
 

本線構築以外の技術についても多少解説しましたが、上記のような技術を備えていることを踏まえて新世代はリスクを取り、結果的に超高火力飽和本線を構築することができるのだと思います。

3.まとめ
S級時代にも、頻度はかなり低かったとはいえ10万点の本線を見ることができました。しかし年を経るのに比例するかのように本線火力も向上していきます。10万点と言うと15連鎖相当です。これはきれいに全て4個消しで連鎖した時の点数です。そこに連結や同時けしが入ってくると点数は上がります。結果的におおむね11万点強までは最強リーグ時代に上がりました。
ここでまた余談ですが、最強リーグで出た最高火力はともくんの16連鎖14万9000点です。
話を戻しましょう。上記のように、最強リーグまでにもとてつもないほどに上がった火力が、新世代の登場で更に効率化され、12万点以上がたまに出る、下手すれば13万点という域まで到達してしまいました。
その理由が今回解説した、
・本線寄りか中盤寄りか
・安定とリスク
の2つです。
これらもちろんこれら以外にも要因はたくさんありますが、主にこの2つが高火力の秘訣なのではないかと考えています。
S級時代に活躍したS級世代の中にも現代で活躍し、若手に引けを取らない火力を出すぷよらーも少なからずいます。
しかし最強リーグ時代に火力の向上があり、そのまた後にこの新おいうリーグの時代で火力の向上が起こりました。

上記で紹介したように、最強リーグ世代は比較的中盤寄りで構築を進め、終盤で窒息死したり単発で頓死したり、もったいない落とし方をしないような「安定」を求めて戦っていると思っています。
これに対し新世代は、凌ぎの強さを生かして火力の上振れを狙いつつ、連鎖の応用力をもってして中盤戦も戦えるというスタイルで戦っていると思います。
両世代とも戦術・スタイルが違いますが、違うからこそ様々な「勝ち方」あるいは「負け方」が見え、さらなるぷよぷよの発展につながっていくのだと思います。

4.最後に
私はまだ高校生ではあるものの、将来はeスポーツの発展に貢献・尽力していきたいと考えています。その中でもこの「ぷよぷよ」というゲームは競技性が非常に高く、上手くいけば流行る要素もあると思います。発売から34年が経った今でも愛されるということは、それだけの価値がこのゲームにあるということだと思います。
最後になりますが、この記事を読んでくださったぷよらーの皆様、誠にありがとうございました。
End
更新日時:2025/12/17 18:21
(作成日時:2025/12/12 22:02)
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日記
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