
先日の
2トリの打ち方の解説記事で、8連結を含む同時消しが可能であるこの形が扱いにくいという話をしたが、その理由について述べていく。
まず、8-4の形になりうる状況を見ていく。

この場合、緑ゾロを3列目に直落としすれば7-4二ダブが完成する。しかし……

実戦で私が選択する置き方はこうである(1列目置き)。
理由は、飽和展開や
将棋崩し対応を見据えやすいから。

同じ理由で、この場合も2,3ちぎりではなく、

1縦が実戦で選択する手になる。
では、どういう場合に8-4を確定させる形に進行していくか。

たとえば、上のような場合には8-4の形を完成形に置くだろう。

上の場合でもそう。
ようするに、
1列目の積み込みが少し遅れている場合に、8-4の形を選択することになるのである。
しかし、1列目の積み込みが遅れている≒連鎖尾の積み込みが遅れているということは、その分だけリソースが折り返し側に寄っているということになる。
ということはつまり、
8-4の形の唯一の発火点である4列目が、連鎖尾の同時消しの完成までに折り返し側のぷよで埋まってしまっている可能性が高い、ということである。
なら、1列目が早めに完成した時も、8-4の形に寄せればいいではないか?という反論が考えられる。
最初の例で言えば、1縦ではなく3縦にすればいいではないかという言い分である。
実際に3縦に置いたとする。するとどうなるか。

お分かりだろうか。
早い段階で連鎖尾が完成する≒折り返しはこれから組み進めていく、ということである。その過程で、画像内のウンコで示した箇所がデッドゾーンとなる。緑が置かれた、もしくは上から降ってきた瞬間崩壊を迎える。シースルーのウンコで示した箇所は完全には死んではいないものの危篤状態である。
なら早々に打ってしまえばいいという話ではあるのだが、8-4二ダブが刺さる場面なら大抵1縦した場合の6-4or5-5二ダブも刺さるし、発火点を開けながら、雪崩の二トリまで膨らませるとなると形が苦しくなること請け合いである。
つまり、
- 8-4連鎖尾の構築が遅れた場合→発火点が埋まっている
- 8-4連鎖尾が早めに構築できる場合→8-4連鎖尾にするメリットが特に見当たらない
これこそが、「
8-4のジレンマ」である。