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書籍から見る用語や戦術の歴史 その4

by
ヌリトオ
ヌリトオ
さて、本日取り上げるのは、
勁文社『ぷよぷよ通 完全ガイドブック』
平成6年12月30日初版

奥付には、「協力/株式会社コンパイル 株式会社セガ・エンタープライゼス」とあります。


それでは、目についたところを適当に羅列していきましょう。

「「そのつぎ」ぷよ」
「NEXTの窓には、次に降るぷよに加えて、「その次に降るぷよ」がのぞいている。」
「しっかり確認しておけば、次にどこへ置いたらいいか、また連鎖をどう組んだらいいかなど、より綿密に作戦を練ることができる。」

「ネクネク」の語はなく、「そのつぎぷよ」と呼ばれていた。


「ミゾでも回せる」
「着地してくっつくまでにボタンを2連打すれば、即座に上下がひっくり返る。名付けて「クイックターン」。」

「クイックターン」の名付け親?


「軽度のマグレ積み。連鎖に注意せよ」
「右下3列中段までに固めてガンガン積み、それから左下に積んで消していくという「まぐれ連鎖狙い」の積み方。」
「右下のぷよがなくなると、またガンガン積んで補充してから左側にかかる。」

対CPU戦での傾向についてだが、
「カエル積み」ほどは高くしないフィーリング連鎖を指して「まぐれ連鎖狙い」と呼んでいた。


「フィールドを自由に使わせていると、相手は次々にぷよを消して、おじゃまぷよを降らせてくる。」
「まず、こいつの好きにさせないようにすることが大切。」

対CPU戦での対策についてだが、
相手にフィールドを自由に使わせないように、という意識はあった。


「軽度の連鎖狙い型。なぜか好む地獄積み」
「左から3列目だけを常時高くしておくという、「地獄積み」を好むという変な癖がある。」

対CPU戦での傾向についてだが、
「地獄積み」と呼ばれる積み方があった。


「究極まぐれ連鎖!俗称「カエル積み」」
「真っ先に右3列を天井までびっしり埋めてしまい、それからその「カベ」にくっつけるように左側に積み、ぷよを消して段を崩していく。
「フィーリング連鎖の最終進化形!?」

言わずと知れた「カエル積み」。
「のほほ積み」との使い分けは不明。


「早積みで対抗。相手のシカケをかき回せ」
「積むスピードは速くはない相手なので、こちらが早積みで対抗すれば勝つチャンスは広がる。」

速度で優位を取りに行くという考え方はあった。


「相手の出方を見てこちらの戦略を考えろ」
「「駆け引き」のこなせる人でないと、常勝するのはまず無理。」

対CPU戦での対策についてだが、
相手の動きを見て駆け引きするという考え方はあった。


「まず、相手が何をやっているのかを時々確認しておくこと。」
「連鎖が来そうな場合、こちらも相殺し迎撃できる準備ぐらいはしておきたい。」

「凝視」の語はないが、相手の状況の確認が薦められていた。


「連鎖の魔導師と呼ばれたいために」
「連鎖の理屈自体は、そんなに難しいもんじゃない。」
「だが、理屈は実践できなくては何の価値もない。」

座学重視の立場としては耳が痛い。実践は大事。


「ぷよが消える前の「3ぷよ」の状態に、1個以上のぷよがくっつくと消える。」

「3連結」を指して「3ぷよ」という語があった。


「ぷよを消すからには必ず「消す前の状態(リーチ目)」がある。」

「ツモ」「配ぷよ」などもそうだが、なんとなく麻雀用語の影響が多い。


「どういうパーツがくっつけば消えるのかという「図形の足し算」ができるようになれば、ムダのない連鎖に大きく一歩近づいたことになる。」
「完成形を分断して考えるのが、連鎖の基本概念だ(これが重要!)」

漠然とした話だが、大切なことを言っている気がする。


「点数計算のシステム(対CPU戦での場合)」
「計算式 E=A×(B+C+D)」
「A 基本点」
「B 同時に消した色」
「C 連鎖による倍率」
「D 同時に消した数」
「おじゃまぷよの数=E÷120(小数点以下切り捨て)」

「おじゃまぷよ算」の語はないが、計算式はあった。


「ぷよ消しモデル一覧図」
「4ぷよの完成形と、それをバラしたものを図解してみた。積み方の参考にして欲しい。」
「O型」
「I1型」「I2型」
「L1型」「L2型」
「T1型」「T2型」
「S1型」「S2型」
「※鏡像・上下逆の形は省略しました」

J型、Z型は、鏡像の同型と判断されていた。
「4連結」を指して「4ぷよ」と言っていた。


「おもな連鎖の傾向とその特徴」
「フィーリング連鎖」
「適当にぷよを山積みにしておき、その山の一角を崩すことによって、偶然の連鎖を発生させる方法。」
「パターン式連鎖」
「同じ積み方のパターンを連ねて連鎖を発生させる方法。覚えてしまえば強力な切り札になるが、配ぷよが悪いと応用がきかず破綻してしまうこともある。」
現→階段積み
「即興連鎖」
「成り行き任せではさみ込みをどんどん使い、連鎖を伸ばしていく方法。変幻自在でむだぷよも出にくいが、先の先が読めないと無理。」
現→アドリブ

「階段積み」を指して「パターン式連鎖」と言われていた。
またここでは、「パターン式連鎖」に「カギ積み」は含まれていない。


「フィーリング連鎖」
「前作では両端に適当に積む「ハーピー積み」が有名だが、それより数段強力なのが、のほほが使っている「カエル積み」(編集部命名)だろう。」

「カエル積み」は編集部命名だった?


「いろいろな状況からの連鎖の発想例」
「作りかけのシカケが埋没した例。タネを上に乗せて横から崩せば、連鎖に持っていける」

連鎖全体を指して「シカケ」、「仕掛けぷよ」を指して「タネ」の語が使われていた。


「連鎖のボリュームアップ」
「軽いジャブが2連鎖。それなりにかく乱するのが目的なのが3連鎖。致命傷には至らないが、相手を窮地に追い込むのが4連鎖。一発で沈めるのが目的なら5・6連鎖。相手の手の進み具合に応じて、使い分けていこう。」

相手の盤面を見たうえで、連鎖数を使い分けるという考え方はあった。


「知っとけ用語など集」
「配ぷよ」
「降ってくるぷよの種類。麻雀用語の「配牌」の親戚のようなもんである。」
「ファイヤー」
「アルル2連鎖のボイス。原典では火炎攻撃の魔法。」
「アイスストーム」
「アルル3連鎖のボイス。氷の攻撃魔法。」
「ダイヤキュート」
「アルル4連鎖のボイス。魔導力を上げる呪文。」
「ぶれいんだむど」
「アルル5連鎖のボイス。敵を「のーみそぷー」にする呪文。」
「じゅげむ」
「アルル6連鎖のボイス。唱える者より莫大な気が放射される、大攻撃魔法。ただし、成功率は低い。6連鎖到達の難儀さを象徴するかのようなボイス。」
「ばよえ~ん」
「アルル7連鎖以上のボイス。受けた敵は「その言葉その響き……おおっ心が洗われるようだ」と感動してしまい、しばらく何もできなくなる。」

「ぶれいんだむど」「じゅげむ」の表記は平仮名。
4連鎖のボイスは「ダイヤキュート」と書かれているが、「ダイアキュート」が正っぽい。


「基本的な対戦の心得」
「敵がいて自分がいる」
「まず自分の手を仕込まなくてはならないのはもちろんだが、相手の手の進み具合を時々うかがって、その場に応じた戦略をとれるようにしたい。ひとつのパターンに固執していてはダメ。」

「凝視」の語はないが、相手の手に応じて動くという考え方はあった。


「最初にどんな手で行くか決めろ」
「最初に降ってくるぷよを「NEXT」で確認して、ぷよの並べ方を考えろ。」
「この時点で始まっている!」

初手が見えた段階で置き方を決めるという考え方はあった。


「攻撃が来た時の対処法」
「速攻で積んで相殺」
「連鎖が発動してからおじゃまぷよが降るまでには、若干の時間がある。その間にいくらかでも「何か消す」ようにすれば、被害はいくらか抑えられる。」
「耐えて次の作戦を練る」
「消せるぷよがどこにもない時の手段。だいたいどの辺まで埋まってしまうのかを判断して、NEXTを見て復旧対策を考える。」

消せるぷよがどこにもない時の手段、という書き方からすると、
相殺せずにあえておじゃまぷよを「受ける」という考え方はなかった。


「その他の対戦ポイント」
「NEXT欄に2手先のぷよまでが表示されているということは、2手先の積み方までが考えられるということ。チラッとでもいいから見る時間を作り、積み方を練るのだ。バラのパーツを頭で組んでおこう。」
「ぷよが消えている間などは絶好の思考時間」

ネクストを見るのは、チラッとでもいい、と考えられていた。


メガドライブ版、ゲームギア版のぷよぷよ通の発売が1994年12月。
同じ頃に早々に発売された本ということになる。
戦術の発展はまだまだではあるものの、ネクストを見たり相手を凝視して戦い方を考えるという、
現代ぷよに繋がる基本は既に示されていたんですね。
作成日時:2025/11/08 22:32
カテゴリ
初心者向け
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