カギ積みは、上級者の試合においても要所に登場し、カギ積みのみで中盤戦を制することも可能な応用が広い形である。本記事では、中盤において、土台上の中央の領域でカギ積みを用いて連鎖を繋ぐメリットを考察する。画像に用いる本線手順は基本的に後折り土台作成→早めのニダブ→第二折り→後折り多重→本線発火の流れに沿うものとする。
[素早い構え]
カギは1+3連結で連鎖として成立する関係上、土台の表面に食い込んで作るニダブを生み出し易い。土台作成終わりかけぐらいに打つニダブ(いわゆる早いニダブ)は、盤面有利をとりやすいため、構え得である。また、このときに狙うニダブは組み換えが容易であることが多い。
[第二折り+接続点のカギ+後折り多重]
第二折り+カギで3-4連鎖を保持できるので対応の量調節がしやすい。
1+3連結でカギを作ることで催促対応の手が広がる。
(カギ部分を使ってニダブ、カギ+多重部分で連鎖対応)
また、カギの形が4列目に一個だけしか飛び出ていないので接続点の段差ずれを抑え、多重を簡易化でき、段差ずれを鶴亀連鎖に応用できる。
[使いづらいフィールドを矯正する]
ツモ偏重のとき、コンパクトに催促・対応を構えようとするときなど、12,56段が高くなるとき⇔34段目が凹むとき、カギを用いることで土台の凹みを解消しやすい。カギで合体することで暴発リスクを下げることも出来る。鶴亀で繋げる連鎖は、見えるようになると、連鎖パターンが一気に広がるため、連鎖尾部分だけでなく、後折り多重を組むときにも是非とも活用していきたい。
以上より、中盤中央の接続点にカギを用いることは多くのメリットを生み出していると言え、中盤戦に用いる形として一考の価値がある。なお、本記事に用いた画像は全て私がシミュレーターで作成したものであるため、存在しない土台手順が含まれている場合がある。
余談。記事内容とは関係ないが、中盤戦のほんの一部分だけを切り取って考察した記事は本当に少ないと思う。中盤戦の奥深さは無限大に近いものがあるため、とても一つの記事に収まるものではない。/手順一つを取ってみても、ある視点では良手になりうるが、他の視点では悪手になりうる。正解が人によって変化する手がある。そもそも正解がない手もある。/中盤戦において、どんな形が中盤のどの時点で有利をとりやすいのか、連鎖を組みやすいのかを知る。連鎖を構える順番を知る。たとえば、単発を打ってからニダブを打つと差しやすい、折り返しの座布団が色摩擦を軽減できる、第二折りを作ってから後折り多重を組み始めると対応手がない時間を減らせるだとか。/これらは知識として知っているだけでぷよ捌きにおおいに貢献してくるものであると思う。中盤戦が奥深いものであるからこそ細かな視点を共有していきたい。随分と堅く長い文章になってしまい、申し訳ない。ではこれにて失礼する。