※軽く見返しても粗が多いのが気にくわないが、手直しの気力もないのでそのまま投稿する。
さあ、実際にやっていこう。
まず一本目。わんころさんの初動は大きく分けて二種類。三手目から狙う形が変わっていく初手と、三手目以降も狙う形が大きくは逸れない初手があり、今回は初動が変化するタイプの初手。こっちのタイプは問答無用で「手順が分からねえ」状態になる。
三手目の挙動についても色々言いたいことはあるのだが、四手目五手目が絡んできてかつ彼の気分で変わるケースが少々あるため、毎試合それを踏まえて考察するのは冗長な記事になってしまう可能性が高い。今回は初手三手までに関する考察を少し省いて進める。
さて、まずは青を四つ引いて連鎖を作れることを確認したので、[基準-ネクネクまでで完結]により青の次に多く引ける緑を使ってちぎらずに青の連鎖を作ることを考える。
※段差の崖が激しかったり、発火の遠さが目についたりするような置き方は最初から除外している。
候補はこんな感じ。独断と偏見で挙げているところは否定できないので、「この可能性もあるだろう」というものがあればコメントをください。次に、[基準-最終形が決まらないときの挟み込みは避ける]により上の二択に絞れる。(緑が初めから分離する置き方だと緑が少ないツモのときに困るため、青のトリガーにする目的も兼ねて連結させる。)
そして、バランスマンション、調和領域2,5の考え方によって段差を減らし、二列目が一列目、三列目より先に高くなるのを避けたいことを考えると一通りに定まる。
ひとまず完結。この場面は最終的な形が一通りに絞られたが、当然二通り、三通りなど一つに定まらない場面もある。そのときは更にネクネクネク以降を参照して手を変えていく必要がある。そんな芸当ができるかどうかの議論には一旦目をつむろう。ここは実践の場ではなく検証の場。
この時点で緑による折り返しが完成。まだ折り返しがどこになるかは確定できないが、5,6列目が低いためここからの左折りはゾロが多く来たときにおおよそ限られる。既にネクネクまで組む形が決定したので残った種ぷよをどのように繋げるのかを考えておこう。左折りにすることを仮決定にするならば、折り返しは既に完成していると言えるので紫、黄色は連鎖尾として回収することになる。
折り返しの色の候補となりつつも、最終的に折り返しの底上げに用いられたぷよ(上の画像の紫ぷよにあたる)は大抵連鎖尾の最後で消すという彼の傾向があるため、ネクスト、ネクネクを見ずとも既に紫ぷよは最後に消す可能性が高い。
cf.彼がよくやる土台の組み方。私的定形ならぬ私的構築手順といってもよいくらい
このように、一度折り返しの種になった色を弥生っぽくぐるっと連鎖尾を一周してから連鎖尾の最後の色としてを回収する一連の手順をpopoサイクルと呼ばせていただく。
cf.折り返しから連鎖尾に変化する例
基本
折り返しの例
連鎖尾の例
応用
今後もかなりの頻度で登場するので、popoサイクル等の名前がないと説明が大変なためです。ご了承を。
下の画像のような例外はあるが、青→紫→のように消すと真ん中が先に高くなって段差の崖ができてしまうため、端列の回収がしづらくなる。[基準-最終形が決まらないときの挟み込みは避ける]にも反するため、避けたい。(※今の時点では避けたいというだけであって、状況によっては十分考えられる択の一つではある)
よって56列目が先に埋まって連鎖が右に流れることが無い限りは紫は連鎖尾に回すほうが賢明と言える。
cf.紫が連鎖尾ではなく折り返しの候補として残る例
先ほどネクネクまで一気に捌いたので若干の余裕がある。
さて、黄色が多く引けて場の種ぷよと合わせて合計四つなので黄色をメインに考える。[基準-ネクネクまでで完結]により、置き方の候補は以下。
[基準-段差を減らす]により、まず黄ゾロ四縦が否定され、黄ゾロ五縦もゾロが無いと六列目が捨てぎみになってしまうため、黄ゾロは34横置きが一番まるい。
[方針-バランスマンション]により、1,2列目、3,4列目、5,6列目の段差を生まないためにも黄ゾロは34列目横置きで良い。
ネクネクに黄青を引いた。黄色五つが確約されて一つ余す、すなわちネクスト、ネクネクどちらかだけを連鎖の確定に使えば良い。どちらのツモを連鎖の確定に使えばまとまりが良いのかを考えることになる。
...先ほどまでの盤面であればこの流れが正しい。しかし、この盤面はさっきとは既に状況が異なっている。右側に段差の崖ができてしまっている。このとき、先ほどのように下からサブマリン的な連鎖を作ろうとすると、色摩擦が厳しく三連結に制限がつくため連鎖構築の過程で残った段差に適当な摩擦軽減のゴミぷよを放り込んでしまいやすい。連鎖尾が組みづらいので火力が下がり、ゴミぷよのせいで意図しない暴発も増える。
また、黄色を青の次に消すと紫が同時消しになることも確定してしまうため、単純な連鎖効率の面でも青→黄のルートは避けたい。すると、[方針-段差の解消は鶴亀]により、青から五列目に鶴亀のルートをみることになる。すると、今度は青の次に黄色が消えてはいけないので[方針-バランスマンション]を踏まえて候補はこうなる。
(この手は候補が多いので[方針]を参照しつつ各手に評価を与えることにする)
黄色を分離しつつ、[方針-バランスマンション]を満たす黄緑の置き方はこれ。青黄を二列目に置いたのは、[方針-連鎖尾は二色>三色]により連鎖尾の必要色を抑えつつ、発火点を埋めないで黄色を寄せるため。黄色を回収しなかったときに緑→青→黄→○のラインになる。また、連鎖のルートを増やすだけなら23横置きでも良いが、回収ルートが緑→青→黄→···→青→紫となって中央列が膨らみ過ぎる。位置発火点の溝と中央の膨らみとと天秤に掛けて後者のケアを優先する。三列目は紫を置く元々想定していた簡潔なルートをとりたい。
結果をみるまでは候補外だった手。黄緑を見て鶴亀の採用を決めた後、鶴亀の完成形を見据えた手。わんころさんは土台作成の際に「簡潔に済むルートを残しつつ、いかようにも連鎖を膨らませられること」を重視する。つまりは緑→青→○の後に緑→黄→紫と繋ぐ最短ルートを逃したくないわけだ。だから黄緑は六列目に緑+○のツモを突っ込んで最短ルートで連鎖を完成させる布石として五縦したわけだ。黄緑を寝かせても同じルートを残せるかと思うかもしれないが、その場合は黄色が必ずもう一つ必要になる。この、「一個足りない」問題はぷよスポの土台崩壊に直結するケースが多いためできる限り避けたい。[方針-色の結合↔分離]を考えても、鶴亀で後回しにするからといって黄色の要求量を迂闊に増やしてしまうのは避けたいところ。そのような事情を考慮して黄緑は五縦が最善となる。青黄は先の候補で述べたことと同様なので割愛。
直感的にも、五列目が崖になっているのはちょっと微妙。そもそも五列目の色摩擦が大きくなっているのを解消したいのは当然あるが、連鎖の最高効率を求めた場合に五列目一段目は紫ではなく緑にしたいのでせっかくの緑を逃してしまうのは避けたいところ。他の候補には劣る。
[方針-バランスマンション]を満たしているのでパッと見はよさげ。しかし鶴亀を確定させた上で黄→紫のpopoサイクルも見据えているため、このように置いてしまうと連鎖尾に○→黄→青or緑→青or緑→黄→紫と、少なくとも六色必要なため土台の完成が大幅に遅れる。とこぷよでは問題ないだろうが、対戦相手を意識する上ではこれは避けたい。[方針-最短ルートを潰さない]に反しているわけではないが、そもそも最短ルートがかなり長くなっている時点で対戦には不向き。色の散らばりがマイナス方向に働く良い例と言える。
[方針-バランスマンション]は満たすが、先の候補と同様に最短ルート自体がかなり長い。不定形の強みとして、連鎖が遠いようで近いという「速攻がほぼ刺さらない」特徴があるはずなので、強い不定形を組もうとしてそのメリットを生かせないという矛盾に陥ってしまう。個人的にはまはーらさんの魔術的な中盤の間合いを土台から実現しているのがわんころさんだと思っている。これも他の候補には劣る。
速攻勢が嬉しくなりそうな置き方。[方針-バランスマンション]を満たしているが、[方針-色の結合↔分離]に反する。発火点は緊急発火によってぎりぎり確保されていると言えなくもないが、右側と左側の段差の崖が大きくなったのを無視できるわけではないので、できるなら避けたい。折り返し直上の黄色が二連結で確定してしまっているのも地味にマイナスポイント。
なくはないが、4,5列目の連鎖の崖が解消されず、緑を五連結(右折りにしても青が五連結)になってしまうため細かい妥協を多く含んでいる。上の候補と同様に段差の崖も解消されていないので、できれば避けたいところ。
結論として以下の二つの可能性が高くなった。これを頭に置いて次にいこう。
案の定、先ほど盤面への考え方を変える前に考えていた捌き方の候補以外の捌きが出てきた。ネクストが青黄で、黄緑を使って連鎖を完結させる意味が薄れたためだ。また、黄緑の捌きに一切迷いが見られないところから、黄緑が見えた時点で既に青→黄のルートを切って鶴亀で連鎖尾を繋ぐルートを確定させていたことがわかる。
最終的に、候補の一つに落ち着いた。5列目の黄色の上に置いた色から鶴亀で組み進めるのだろう。この時点で緑→青→○までが確定する。その後に三、四列目の黄色と五列目の黄色を分離して○→黄→緑→黄→紫になる可能性はあるが、折り返しにも黄色が必要なので黄色の要求量が多い。それを踏まえると、○→緑→黄としたときに黄色が確定しているという情報も重要になる。黄緑を立てた時点で[方針-色の結合↔分離]が頭にあっただろうか。
わんころさんは毎回芸術的な連鎖尾を組むと思われがちだが、最後(付近)で消すことが確定している色を除いて基本的に二色で伸ばすことを心掛けているようなので、伸ばしの方針としては一般ぷよらー(この呼び方が正しいかどうかは微妙だが、敢えてこの呼称を採用する)がやっていることと大差はないと思われる。一般人が手品師の種明かしであまりのショボさにガックリするのと同じように、我々一般ぴーぽーが対して難しくない技術を壮大に捉えて過ぎているだけなのである。
(実際に真似しようとすると中々同じような再現はできないので、「やっぱりすっげえや」と言いたくなってしまうが、この記事はわんころさんを分析して誰もが同じように組めるのではないかという趣旨のもと執筆されているので私個人としては「そうでもないじゃないか」の心持ちでいたい。)
紫がゾロのお陰で紫からの鶴亀が簡単に分かる。ここまでは想定通りの流れ。ネクネクの黄紫はツモによっては一列目に突っ込んでいいかもしれない。
...あなたは恐ろしい事実に気付いただろうか。これまでの流れを一掃して、頭を空にして見ると右折りのルートがしっかり残されている。
左折りがほぼ確定している中、このルートを残して組み上げるのは至難の業。さすがに彼もここまで見えてはいまい。しかしそれは左折りが確定しているからこそ。右折りに切り換えたならば、この程度のルートは容易に見つけ出すだろう。
鶴亀は一段目に「後から回収する二、三連結の種ぷよ」を残し、その上にL字で連鎖尾にする形が多いため本人も気付かない内に折り返しが作られ、リバーシブルになっているケースは多い。しかし彼に限ってはあまりに自然に逆発火で対応する場面が多いので、狙ってこの形にしている局面もあるにはあるのだろう。いやー、恐ろしいね。
ちぎらずに組むにあたり、置ける場所が一縦、六縦くらいしかないが、一縦すると発火点を埋めてしまうため避ける。消去法的な一手。完璧に凝視ができるというのであれば現在のくらうどさんの状況を見て一縦してもまあ大丈夫だろう。
正直この黄紫はよく分からなかった。...とは言うものの、後でこの黄紫六縦が布石になっているので、結果的にだがわんころさんがこの時点で連鎖尾のルート変更をしていたことが分かる。
また、このとき紫からの鶴亀をやめる別の理由がある。下を見ていただきたい。
はじめ、左下の紫を三列目縦二連結で回収することを見据えていたため、それと紫の鶴亀を同時に入れようとすると連結で吸収されてしまうことが分かる。三列目四段目に紫ぷよを置いた時点で暴発が確定してしまうため、種ぷよとして残っている青を三列目に差し込まない限り暴発が回避できない。しかし、現実問題としてそのようなルート選択をした場合、連鎖尾の遅さと34列目の膨らみが対戦において致命的になる。総合的に判断すると現実的ではない。
popoサイクルが連鎖尾として機能したときの強みは「最後に消えるぷよが連鎖尾の伸ばしに影響しない」という点にある。ここが連鎖ルートのよく似た弥生時代との最大の違いであるので、このような事態はできれば避けたい。
popoサイクルは連鎖尾の最後が左三列に収まっているので、時間さえあればいくらでも連鎖尾を増やせる。弥生時代は連鎖尾の最後が四列目まで食い込んでいるので、実戦の速度でここから更に連鎖尾を伸ばしていくのは難しい。
以上を踏まえて紫の鶴亀は諦める必要がありそうだ。よって黄紫を六縦することで、鶴亀を一つ上にずらして暴発回避のルートとする。
そしてネクストの青紫とネクネクの紫緑。既に34列目の半確定ぷよが多くなっているので、[方針-本線に近い連鎖を優先]を参照して、そこに充てていきたい。
ちぎらないことを考えれば二択に絞られる。
比較してみると、連結している分紫緑は三縦のほうがいいように思われる。五列目の溝を深くしない意図もある。
ここで、連鎖尾の現状を整理してみる。popoサイクルにより紫二連結の高さまで連鎖尾になることが確定しているため、五列目六列目は必然的にそれに合わせた高さになる必要がある。
34横置きして、
三縦。ここまでだいたい想定内。ネクストの青紫。青または紫を生かせそうなのは二縦か四縦に限られるが、ここでの最善は二縦に限られる。理由は後述。
黄緑を生かせそうな場所はどこだろう。
黄緑の五縦。黄色の鶴亀が確定した。四列目は黄色または妥協して紫色を置く予定であるので青紫を同時に生かすために二縦が確定。ネクネクの緑黄は黄ゾロが引けたら四縦できて美味しいので一縦。
この時点でおおよその土台の最終形が完成する。ツモによっては連鎖尾の入れ方が変わることもあるが、ここまで見えていれば連鎖尾がちょっと得意なぷよらーであれば問題なく組み進めていける。
少し待ってもゾロは引けなそうなので、早めに土台を完成させるためちぎりも選択肢に入れる。
ここら辺までくると、いちいち[方針]などを考えるまでもなく盤面の種ぷよを回収するだけなのであまり語ることはない。
黄色の鶴亀の後に紫→緑と消えて、四列目の青と五列目の紫が残るので、連鎖尾にするか第二折りにするかを考えながら組む。
後は黄色を待つのみ。
黄緑をちぎってようやく土台が完成。今回くらうどさんの中盤の入りが遅かったため、土台の完成をここまで引っ張っても大丈夫だった。中盤が早ければ紫の鶴亀に留めたり、真ん中の紫の連結から中盤手を作る運びになりそう。
土台の完成が遅かったため、相手の盤面に引っ張られた手順は少なからずあったが、あくまでも土台に絞った記事であるので敢えて触れないことにする。
しょっぱなから特大ボリュームだったが、こんな感じのがわんさか出てくる。思ったより一試合に掛ける労力が大きかったので、記事一つに一試合だけに留めて複数回に分けて投稿していくことになると思う。そして書き始めは全手のつもりでいたのに、案の定気力が無くなってしまい細かいところを削ることになった。所詮自己満足記事。
ここまで書いておいてあれだけど、自分の実力不足を痛感するとともに記事の完成度の低さが気になってしょうがない。よってタイトルに①-1と付けたものの、しばらく更新はない予定。