1994

ポップ&カジュアル

by
shokutama
shokutama
esportsってそれ単体じゃ成り立たないって話。

ぷよぷよフィーバー以降のこのゲームというのは、完全にポップ&カジュアル。
キャラクターデザインをSDチックにして、連鎖発火時のぷよの落下モーションも、カチカチとしたコンパイル版と比べれば弾力的なぼっよんな感じ。
キャラクターの言動も正直頭おかし・・・かわいらしい幼気な言動が目立つし、ぷよクロなんかはどこのクソ間抜けが考えればこんなクッソつまんねえストーリー あなおとぎ話といったような雰囲気を醸し出している。

各キャラに連鎖ボイスがあり、それがキャラクター毎の個性でもあった。ウィッチのどんえーんなんかは「どんえーんってなんだよ!」とツッコミを入れたし、アコール先生の「ランボア」ボイスの時の顔のでかさだとか、タルタル君のボイスなどはもはや狂気の領域だし(余談:TOMプロが狂ってしまった結果スタンプぅ!してしまう動画があるのでぜひニコニコ動画で検索してみよう)

端的に換言するなら、カワイイ絵でカワイイ個性のキャラでみんなでワイワイガヤガヤ。
そんなゲームがこのゲームであり、それは勝負の世界ならば4連鎖やそこらで「うおー!!!」となる世界で、我々のような「10連鎖ができることはゲームの前提」「凝視して潰す」などといった世界は狂気の沙汰でしかないものだった。

さて、ぷよスポというゲームは、SEGA的に「e-sportsとしてこのゲームを売り出す」という路線のゲームだ。
早い話が先ほどの狂気の沙汰をメインに据えようというものだ。
悪くないし、私としては歓迎だ。
正直ぷよクロとのゲーム内容の違いは私にはわからないが、最新作がこちらである以上メインの対戦の場をこちらに移したほうがいろいろな人とマッチングできるし、気軽対戦モードで連戦できる。
みんなが持っているから、という理由は私がかなり忌避する理由ではあるが、自分が戦いたい以上買わない理由にはならないからだ。

しかしだ。
このゲームはポケモンでいうところの「バトルレボリューション」で、メインのストーリーはなく、ただひたすらに研鑽を積み、対戦するというところに主眼をあてたものだが・・・
あちらが別に本編がありそちらで「このキャラ好きだなー」「こういうことしてみたいなー」と考えられるのに対し、ぷよスポはそもそも本編そのものにストーリーがない。
それゆえに、キャラに対する愛着なんてあったものではないし、あったとしたらそれは今まで持ってきた気持ちであって、新たに沸いた気持ではないだろう。

本筋とは少し外れるが戦い方という観点でも残念だ。
一般のRPGなら「この見た目の敵にはこれが効く」「このHPラインを切ると危ない」といったように、学びながらゲームを進められるのに対し、このゲームにはそれもない。学ぶためのレッスンすらない。
初心者にとってはいきなり無人の荒野に投げ捨てられ生き残れと言われたようなものだ。なにすりゃいいかわからないわこんなん。

閑話休題。
今までキャラに愛着を持ってたオタクはともかく、新規に人にとってぷよスポでキャラに愛着を持たせるのは厳しいだろう。
キャラごとにレートに違いのあるフィーバーに対して(純粋なレート差だけで見た時、たった24キャラの中で劣化の劣化の劣化の劣化ができるとかいうバランス考えたバカでてこいな事実はともかく)、通ではキャラ間に差などない。
連鎖ボイスにも違いもない、ただひたすらカウントアップしていくキャラが最後にようやく各々の連鎖ボイスをいってくれる。
いままでに比べれば面白みに数段欠けるものだ。
カットインもないし、キャラを好きになる要素がほとんどない。それでこのゲームのキャラを好きになるのは無理だろう。好きになるやつがいるとすればそれは妄想力のたくましいナードさんくらいだろう。
シエルのスカートめくったらどんな反応するのか、とか想像しちゃう系の。

さてさっきからキャラキャラうっせーなe-sportsだぞ競技だぞそんなもん入れる必要ないだろと思う方もいるかもしれないが、その理屈が通るのならプロ野球のヒーローインタビューも必要ない、かわいいマスコットも必要ない。
単純に野球だけやってるところだけ見せればいいのだ。

しかし現実はそうではない。
杉谷拳士のようなキャラの濃い選手がいろいろなテレビにでてアピールしているし、長嶋茂雄のような「天才にありがちなよくわからない例え」や教え方で人心をつかむことだってできる。
バファローベルに発情するオタクさんもいるがそういった層が野球を見てくれて好きになってくれたならそれはそれでプラスなのだ。

――――――

このゲームにはカジュアル層の居場所がない。
いきなり無人の荒野に集められたプレイヤー同士で殺しあえと言われ、時たま経験者というとてつもない地雷に戦々恐々しながら戦い、次第に一人また一人とプレイヤーが減り、最後の一人になるまで戦ってようやく初心者の仲間入りできるのがこのゲームだ。
とんだデスゲーム、蟲毒かなんかだろうか?
殺し合いには負けてしまったから他のところで何かこのゲームで遊ぼうとなっても、なにも遊ぶものがない。練習すらできない。キャラクターの性格も何も見えないからキャラでも楽しめない。

ぷよスポで遊べるのは、今まで変態的にぷよぷよを遊んできた人間だけだ。それなりにうまい人間でなければ楽しめないようなゲーム、それのどこがe-sportsだろうか。

なんでもそうだが一度コミュニティに属した人間はそのコミュニティに満足し新たな人間の参入を歓迎しない。新しく参入しようとする人間にとって、一度完成したグループに参加するのは難しいのは皆さんのこれまでの友人関係などで体験したことではないだろうか。
ぷよぷよというゲームでは、基本昔のアーケード村の住人はそこで交友関係が完結しているようにみえるし、私のようなフィバ民はフィーバー村の住人と交流するのが主でやっぱり外とは交友しようとはしない(ように見える)。

では新規に参入する人の居場所は?
Esportsの交流といえば、やはり対戦がメインだが、それでコミュニケーションがとれない人は?
共通の話題がないのにどうやってコミュニティと対話すればいいのだ。

要するにキャラというのはゲーム参戦のとっかかりだし、プレイヤー共通の話題にもなるものなのだ。
それを

ゲーム弱いのは罪
どのキャラ使ってもゲームに違いは出ないよ
どのキャラもほぼ同じこと言うよ
キャラの性格?そんなことよりゲームやってよ

これのどこが楽しいっていうのだ。一番上はともかく、同じことしか言わないならもう声優の声の好き嫌いしか差別化ポイントないじゃん。
ガチ競技勢がいるのも大事だけど、カジュアルもいなければ意味がない。

ゲーム⇒Esports なのではなく Esports⇒ゲーム であって、カジュアルのいないものはゲームですらないのだから、カジュアルがいないことはEsportsでないといえるのだ。

ぷよぷよのポップ&カジュアルさは他のゲームと比べてもかなり魅力の大きいものだと思う。
Esportsという言葉はガチのためだけのものではないと思えるような次回作に期待・・・したいんだけどしていいのだろうか。

最後に。

シエルちゃんはスカートめくりされても絶対真顔で罵ってくれそうだよね。興奮してきたな。
作成日時:2020/07/07 18:16
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