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書籍から見る用語や戦術の歴史 その3

by
ヌリトオ
ヌリトオ
さて、本日取り上げるのは、
辰巳出版『す~ぱ~ぷよぷよ攻略本×ぷよマスターへの道』
平成6年1月30日第1刷発行

奥付には、「協力 株式会社コンパイル・株式会社バンプレスト」とあり、
「コンパイル直撃!ぷよぷよQ&A」というコーナーもあるので、
内容としてはオフィシャルなものと考えて良さそうです。


それでは、目についたところを適当に羅列していきましょう。

「左から3列目の一番上にぷよぷよが積み上がってしまうと、窒息してゲームオーバー。」

この頃には「窒息」の語があった。


「大連鎖・おじゃまぷよの計算システム」
「おじゃまぷよは70点ごとに1個降らすことができる」
「連鎖による倍率ボーナス」
「同時に消した色の種類」
「同時に消したぷよの数(個数)」
現→おじゃまぷよ算

現在とは計算式は違いますが、計算方法は当初から正確なものが公開されており、その計算システムに基いて、
「5連鎖以上の大連鎖は、相手のフィールドをすべて埋めつくすだけのおじゃまぷよを降らす必勝の攻撃」
と、何連鎖あれば勝てるかという合理的な考え方があった。


「予告ぷよマークは3種類」
「予告ぷよ・小」
「予告ぷよ・中」
「予告ぷよ・大」

この頃には「予告ぷよ」の語があった。
また、現在でいう「小ぷよ、大ぷよ、岩ぷよ」は、
「予告ぷよ・小、予告ぷよ・中、予告ぷよ・大」という表記だった。


「基礎知識 用語解説」
[列]画面上のマスを縦に区切った単位のこと。
[段]画面上のマスを横に区切った単位のこと。
[ブロック]フィールド内の「ぷよ」のこと。
[ゴミぷよ]どうしても使い道のない色のぷよ
[ゴミ箱列]ゴミぷよを捨てる場所。
[同時消し]2色以上のぷよを一度で消すこと。
(尚、ルビは「どうじげし」ではなく「どうしけし」)
[連鎖消し]続けてもう1色以上のブロックが消える。
現→連鎖
[フィーリング連鎖]同じ色のブロックが2~3個くっつくように積み、ある程度積んだところで消すこと。
[雄型連鎖・雌型連鎖]
雄型連鎖というのは、ブロックの消え方(連鎖する順番)が見た目にもすぐわかる単純な形の連鎖のこと。基本的な形があるので、練習すれば誰でも簡単に組めるようになるぞ。
雌型連鎖は、雄型連鎖とは正反対にブロックの消え方が複雑でパッと見にもわかりにくい連鎖のこと。
[雄型連鎖]雄型連鎖の一番簡単な例。~中略~連鎖の基本だ。

[雌型連鎖]雌型連鎖はひと目では消え方が理解できない。黄色と緑の消え方がわかる?


「ゴミぷよ」という語は個人的にはあまり好きじゃなかったが、この頃から正式に使われていた。
「階段積み」という語はまだないが、型の図はあった。
「雌型連鎖」の例の図は、既に雪崩っぽい。


「LESSON.1 初級編」
「まずは簡単な2連鎖を覚えよう」
「パターン1」

「これが基本形。なだれるように消えていくのが特徴だ」
現→階段積み
「パターン2」

「パターン3」

「パターン3の発展型」
「組みにくいけど、完成するとおもしろいパターン。折り返しの一部に組み込むもので、ふだんは使わなくても知っておいて損はないものだ」

「ある程度なれたら、パターン1で5連鎖を!」
「パターン2と3は実戦向きではない」

「初級」で5連鎖までを求められていた。
「なだれ」という語が既にあるのが興味深い。
パターン2とパターン3は、どちらも構造としては挟み込みだが、
横連結か縦連結かによって、別のパターンとして認識されていた。
「折り返し」の語や考え方はあった。


「LESSON.2 中級編」
「はさみ込みで少しだけステップアップ」
「パターン3の応用で、横に連鎖を伸ばしていく組み方のことだ。」

現→カギ積み
「消しやすくするためのひと工夫もあるぞ」
「左右どちらからでも連鎖を始められる型になる(消せる色が2色になる)。」

現→2色待ち、リバーシブル

この頃には「はさみ込み」「組み方」の語があったが、
「カギ積み」「リバーシブル」の語はまだない。


「LESSON.3 上級編」
「雌型連鎖で応用力アップ」
「細長く組んで耐久力アップ」

「下から順番に連鎖を組むと、連鎖を始める位置が上のほうになるのでおじゃまぷよが降っても対応できる」
現→カウンター
「おじゃまぷよ(もしくはゴミぷよ)を底上げに使うのも作戦のひとつだ」
「消せる色を増やす」

現→多色待ち

「カウンター」の語はまだないが、発火点を高くして耐久力を上げるという考え方はあった。
この頃には「底上げ」の語はあった。


「LESSON.4 連鎖早見表」

「これは初歩中の初歩。5連鎖まで組むのが簡単で、少しくらい形がズレていても大丈夫なのが利点。」

「これは中級編で説明した「はさみ込み」だ。」

「まん中を消すとサンドイッチ状に連鎖するタイプ。~中略~見た目のおもしろさ以外は欠点が多い。」

「これは2連鎖目で大量に同時消しをするタイプ。」
現→2クア、ヘルファイア

この頃には「はさみ込み」の語はあったが、
「階段積み」「カギ積み」「座布団」「横3」「ヘルファイア」の語はまだない。


「3列ぶんの幅を使って、連鎖をどんどん上に伸ばしていくタイプ。」

「おじゃまぷよに強く、大量に降ってきても緑の部分を横から消せる。」
現→カウンター
「折り返しで11連鎖まで伸ばしたもの。~中略~実戦で組むのは不可能に近い。」

「こちらは「はさみ込み」を12連鎖まで伸ばしたもの。」


相殺システムはまだなかったものの、おじゃまぷよを受けてから消せるカウンターやセカンドのような形や、
「折り返し」を使って大連鎖を作る考え方はあった。
しかしまだ、土台部分を階段積み、折り返しからカギ積みという複合型にはなっていない。


「LESSON.5 折り返しで大連鎖」

「青色へ連鎖させるための仕掛けを組んでいく。この部分を折り返しと呼ぶわけだ。」
「空いている右の列は、折り返しのときのゴミぷよ捨て場になるぞ」

連鎖の組み方を指した「仕掛け」の語があった。
端列をゴミぷよ捨て場とするように解説されていた。
折り返しをはさみ込みで更に上に伸ばす考え方はまだなかった。


「LESSON.6 対戦プレイの心得」
「次にくる「ぷよ」は常に確認」
「操作しているブロックと合わせてチェックすれば、置き場所を考える時間の短縮にもなるし、ムダのない組み方にもつながる。」
「相手の積み方もチェックする」
「相手がおじゃまぷよに弱い連鎖を組んでいたら、すかさず2~3連鎖でジャマを」
「状況に応じた駆け引きを覚えて勝ちにいくべし。」
「相手が回復する前に新たな連鎖を組めば完璧だ。」

ネクストを確認する考え方はあった。
「凝視」の語はまだなかったが、相手の積み方に応じて短く攻めるという考え方があった。
「連携」の語はまだなかったが、相手が掘る前に攻撃を重ねるという考え方はあった。


「LESSON.7 おじゃまぷよの対処法」
「仕掛けが完全に埋まってしまったときには、おじゃまぷよを消し、埋まったブロックを掘り起こしつつ連鎖をねらうことになる。」
「どこまでおじゃまぷよを掘り起こしてから再び連鎖を組み始め、攻撃に転ずればいいのかも重要なポイントだ。相手の積み方を見て判断できるようになればベスト。」

「堀り」の語や、攻撃のタイミングを凝視で判断する考え方はあった。


「奥義!?「ぷよの滝登り」
現?→昇竜ぷよ
「この技を使えばおじゃまぷよの列を越えてブロックを積んだり、画面の上の見えない部分にゴミぷよを捨てることができるぞ。」
「まわしのテクを覚えよう。」

「まわし」の語や、13段目にぷよを置けるという考え方はあった。


「カーバンクルのひみつ」
「耳の形状からすると聞く能力もないらしい。いわゆるテレパシーのようなものを受発信するアンテナとなる器官のようだ。」

知らなかった!


「フィールドの左右にぷよを積み、それを利用した2連鎖を組んでくるのが特徴。これは「両端積み」と言われる積み方で、おじゃまぷよを消すときに意外と有効な技のひとつだ。」
現→ハーピー積み

「ハーピー積み」の語はなかった。
また、「両端積み」のルビは「りょうたんづみ」。


「コンパイル直撃!ぷよぷよQ&A」
「好きなのは『岩ぷよ(予告ぷよ・大)です。」
「とにかく最初は積み重ねしかない。5連鎖くらいは無意識にできるようになろう。コンパイルでは最大14連鎖まで出したことがあるぞ」

「岩ぷよ」の語はやっぱりあった。


あと気になったというか凄いなと思ったのが、
本文には全て振り仮名があったということです。
低学年も読者として想定していたのかもしれない。

いちいちルビを振るのはなかなかの手間でしょうが、
読めないということでつまづく子をなくしたのは大切。
作成日時:2024/12/18 07:11
カテゴリ
初心者向け
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