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上級者はばんきょうシステムをどのくらい強く意識しているのかを数値化してみました

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アイソスタシー
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1.はじめに

#ぷよらーアドカレ2025並走部

 先折りGTRの折り返しの上、3列目4段目に置くぷよの色を折り返しの上に座布団を敷ける色(図1)にすると、多重折りが格段に組みやすくなるという理論があります(後折りGTRなら4列目4段目)。これは、ばんきょうシステムマッキーmethodと呼ばれるものです。

 参考ぷよぷよキャンプ↓
先折GTR究極の1手 (~ばんきょうシステムのすゝめ~)



【図1】先折りGTRの3列目4段目に置くぷよの色を折り返しの上に座布団を敷ける色(この形では黄色のみ)にする。

 上級者たちの序盤の手順を見ていると、このばんきょうシステムを意識して土台を組んでいることが何となくわかります。しかし、いざ真似てみようと思っても、どのくらいばんきょうシステムを意識すればいいのか分かりません。

 そこで、この記事では、上級者がどの程度の割合で先折りGTRの3列目4段目に置くぷよの色を折り返しの上に座布団を敷ける色に組んでいるのかを実際にデータを取って数値化し、考察してみたいと思います。



2. データ収集方法

 データはYoutubeにある最強リーグの試合やレート戦などから手動で収集しました。
 まず、図2の左側のように、GTRの船の部分の色をA、GTRの中のL字の色をB、GTRの外の部分(3連鎖目)の色をCと置きます。この時、3列目4段目の色をA,B,C,Dの4色に分類して、実際の試合に組まれた割合のデータを取りました。また、GTRのL字の色とGTRの外の部分(3連鎖目)の色は同じになることがあります(図2の左から2番目)。この時はCもDも座布団を敷ける色のため、CとDをまとめてEとしてデータを取りました。従って、3列目4段目がDとEとなる試合が、ばんきょうシステムを組んだ試合となります。その試合の割合を円グラフにして考察していきたいと思います。

 ※GTRの変形系として中のL字が2個の場合を
W、関東積みのように膨れる場合をK、ミスケンGTRの場合をMとして、全部まとめてothersとしました。
 ※そのほか、全消し戦など先折りGTRにならなかった試合はデータにカウントしていません。



【図2】データ収集のための先折りGTRの配色分類の定義


3. マッキーさん、momokenさん、ともくんさん、のデータと考察

 まずは、皆が熱狂したあのぷよぷよ最強リーグの試合からマッキーさん、momokenさん、ともくんさん、の3名のデータを取った結果を図3に示します。()内の〇〇試合とはデータの総試合数を表しています。
 繰り返しになりますが、DとEが3列目4段目に座布団を敷ける色を敷いた試合、すなわちばんきょうシステムを組んだ試合となります。
 
 マッキーさんとともくんさんは、実に全試合の3/4(75%)が座布団を敷ける色で組んでいることが分かります。この結果から、両者がばんきょうシステムをかなり強く意識していることが伺えます。マッキーmethodと呼ばれるのも納得の結果です。
 また、マッキーさんは3列目4段目にGTRのL字の色(B)をほとんど置かない(1%)ことが分かりました。愚形になりやすいのかどうかは定かではありませんが、強く意識して避けている事が伺えます。

 一方、momokenさんは全試合の約55%で座布団を敷ける色で組んでいる事が分かります。実際、momokenさん曰く、マッキー君ほどの高い割合で座布団を敷ける色で組むには相当強く優先しなければならず、自分はそこまで優先度を上げていない的なニュアンスの発言をしているとのことでした(又聞きなので曖昧で申し訳ございません)。しかし、後に比較しますが、55%でもかなりの高い割合です。



 図3】最強リーガーより3名の3列目4段目の配色の割合グラフ。


4. レート戦より、各レート帯毎のデータと考察

 次に、Yotubeで配信された配信者達のSwitchぷよスポのレート戦からデータを取ってみました。得られたデータを、2つのレート帯、2700-2999と3000-3404に分けて比較をしたのが図4になります。

 2700-2999では座布団を敷ける色に組んだ試合の割合が35%、3000-3404では45%と、レートが高いほどこの割合が高くなる傾向が見て取れました。高レート帯になるほどばんきょうシステムの意識が強くなっている事が明らかになりました。
 そして、驚くことに、上級者である3000-3404のレート帯でもその割合は最強リーガーのそれに遠く及ばないという結果が明らかになりました(図5)。最強リーガー達がいかに強くばんきょうシステムを意識しているかが伺えます。最強リーガーの強さが形の強さの一つの指標として見えてきたのは大変興味深い結果です。


 
 【図4】レート戦より各レート帯毎の3列目4段目の配色の割合グラフ。


 
 
 【図5】
最強リーガーより3名とレート戦から各レート帯毎の座布団を敷ける色の試合の割合グラフ。



5. 考察・まとめ

 以上、上級者たちはばんきょうシステムをどのくらい強く意識しているのかを実際に数値化してみました。

 ・最強リーガー間でもその意識の強さには個人差がある。
 
 ・レートが高くなるほどその意識は強くなる傾向がある。

 ・最強リーガー達は高レート帯(3000-3404)よりもさらに強く意識している。


 という興味深い結論が得られました。

 上級者たちの強さが、形の強さの一つの指標として綺麗に表れたのはとても興味深い結果です。
 そして、速度には身体的限界もあるけど、形はまだまだどこまでも極める事が出来る、というのは伸びしろという意味で救いな結果でもあります。


 もし、日ごろ配信でぷよぷよをしている方でしたら、自分の試合から同じようにデータを取ってみると、自分がどの程度強くばんきょうシステムを意識しているかをこのデータと比較してみることができます。やや面倒ですが試してみると面白いかもしれません。今後よりその意識を強くしていくべきなのかどうなのかの役に立つと思います。

 以上、この記事が何かの参考になれば幸いです。


 
更新日時:2025/12/17 18:14
(作成日時:2025/12/17 17:48)
カテゴリ
GTR連鎖
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