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ぷよ界の30年~ゲーム・センターを中心とした概観~ その2

by
にゃあ
にゃあ
「その1」からの続きとなります。)

2018年度(プロ化)~

同年にはもう1つ、ぷよ界を大きく盛り上げる出来事があった。「プロ化」である。コンパイルの経営破綻に伴い、SEGAがぷよの版権を引き継いでから初にして20年ぶりの、待望のぷよ公式大会が遂に開催されたのである!

まず、2018年~2025年に開かれた主要大会の結果はこちらで一覧できる。ここからはプロ大会を中心に、年度ごとの印象的なトピックを箇条書きで振り返る形で進行したい。

2018年度

・「ぷよぷよチャンピオンシップ」初回の4月大会(動画が見当たらなかった……)はくまちょむ氏、Kamestry氏の「レジェンド」が12フィニッシュ。6月大会は高校生コンビのまっきー(マッキー)氏、meta氏が2トップとなり、「レジェンドvs. 若手」の構図が鮮明となった。そこに中堅のlive氏、Tom氏、飛車ちゅう氏、SAKI氏、selva氏、delta氏、ぴぽにあ氏、fron氏、ヨダソウマ……といった面々が絡む、三つ巴の様相を呈した。

・ここから数年間、くまちょむ氏の「新境地開拓」が著しかった。まず、チャンピオンシップ10月大会で「くまちょむ戦法」と呼ばれる速攻戦術を披露して優勝。通常の速攻は「一発で相手を仕留める」量(赤玉1個)のおじゃまぷよを狙うが、「くまちょむ戦法」では「打つ速度」が重視された。おじゃま量は多くても23列に留め(例外あり)、速く打って少量でも相手に刺すことに重きを置く。その上で、相手が掘ってくる動きに対して乱戦を制する、と。「ヴェテランと若手の間に乱戦力に差がある」と言われた当時だからこその戦術ではあるが、自らその優位性を示した形だ。ただ、これは「新境地」の序章に過ぎなかった……。

2019年度

・この年に、一世を風靡する新たな積みが生み出された。その名は「新くま積み」。大雑把に形を分類すると、旧くま積みが階段積み派生の不定形だったのに対し、新くま積みはカギ積み派生の不定形、と言えるだろう。難解な形で特大火力を連発するくまちょむ氏にぷよ界は驚嘆。そのもようは、以下の動画にてお楽しみいただこう。動画1動画2。この摩訶不思議な積みを習得したいとトップ・プレイヤーも練習に励み(動画3動画4)、この年を代表するムーヴメントとなったことは間違いない。初期の新くま積みは右の後折りだったが、研究が進むにつれ、徐々に左の後折りへと移行していった。研ぎ澄まされた合体戦術と連結土台が生み出す魅惑の世界。筆者の好きな形です。

・この年で特に印象的だったのは、チャンピオンシップ12月大会。浅草花やしきにリングを設置して開催という凝った趣向で、参加者の積み方にも異変が起きていた。くまちょむ氏があれだけ嫌っていたw 先折りGTR縛りで試合に臨めば、優勝したマッキー氏はさらなる怪異。左端で階段ダム積みを露骨に見せた後、右に後折りしていくという、真川折り返しともまた違う、新たな階段戦術で相手の意表を突き、勝利を掻っ攫っていた。この年もその先も、先折りGTR全盛は揺るがないのだが、新たな可能性に果敢に挑む動きが目立った。

2020年度

202036月はコロナ禍に伴う自粛期間。この時期を苦々しく思う陽キャの方もいらっしゃるだろうが、自分のような陰キャには楽園のような日々だった。社会的にも、在宅勤務の浸透やそれを支える技術の進歩など、苦境の中でも「時代がひとつ進んだ」実感があった。

・上記を背景に任天堂Switchの売上が爆増するなど、ゲーム業界にはプラスに働いた側面もあった。

・この時期には「オンラインチャレンジ」と称し、PS4版「ぷよぷよeスポーツ」でプロと連戦できる企画をSEGAが立ち上げ、多くのプロが参加して盛り上がっていた。例:飛車ちゅう氏

・プロの動きで特筆すべきは、若手のともくん氏の台頭と、ぴぽにあ氏の爆発だろう。後者については「メリ土台」を駆使してFINALS優勝(年間王者)を果たしたことで、ぷよら~間でこの土台の認知度と使用度が上がり、今や「先折りGTRに次ぐ土台」としての地位を確立している。

2021年度

・この年最大の話題は、何といっても「ぷよぷよ最強リーグ」だろう。連戦を通して真の全一を決めるだけでなく、選手が賞金という形でも報われるように……という、主催ぴぽにあ氏の強い想いのもと開催された。翌年度も含めた結果と動画は、こちらで一覧できる。激戦に次ぐ激戦ではあったが、同一選手間での試合数が多かったため、視聴者の飽きと選手の高負荷があったことは反省点になるかと思う。

2022年度

(・この年、筆者はSwitchライトと「ぷよぷよeスポーツ」を購入し、本格的に現役復帰した。)

・最強リーグの熱狂と終幕があった年。プロ大会でもその出場者が順当に好成績を収めていた中、やはり特筆すべきは「レジェンドの復活」だろう。

「ぷよぷよチャンピオンシップ」20232月大会。決勝でくまちょむ氏は、右から組んで左に折り返す新旧くま積みに序盤単発→先折りGTRというこれまでの戦法に加え、「平積み」に勝機を見出していく。その内の1本は「空からGTR」(「合体」として先に組んだ第2折り返しのGTRが降ってくる形ですね)と呼ばれ、後世に残る名勝負となった。「チャンピオンシップ」という名称でのプロ大会はこれが最後となったが、その「チャンピオンシップ」の最初と最後で優勝を果たすという……。中堅や若手の追撃が激しい中、レジェンドたる所以を見せつける結果となった。

2023年度

・この年からプロ大会は「ぷよぷよグランプリ」と改称され、回数が減ってしまう。

20236月、ひとつの訃報がぷよ界に深い悲しみをもたらした。あかじこう氏、逝去。追悼に代えて、ぷよ界での軌跡を動画で辿ってみたい。

「ぷよぷよカップ SEASON2 11月大会」決勝トーナメント (同氏の出番は1:26:50から)
「ぷよぷよレディースカップ -プレオープンマッチ-  (決勝戦は3:03:37から)
1回 ぷよぷよレディースカップ」決勝トーナメント (決勝戦は3:43:00から)
「第2回 ぷよぷよレディースカップ」決勝トーナメント (決勝戦は3:19:01から)
「第3回 ぷよぷよレディースカップ」 
(プロデューサー細山田氏の閉幕挨拶(3:20:50から)にて、あかじこう氏への名誉プロ認定の発表があった。)

ありがとうございました。

2024年度

・この頃までには、のらすけ氏、やまだ氏、ゆうき氏がトップ層に名乗りを上げている。

・この年の大きなトピックはやはり、「新おいうリーグ」開催だろう。参加者数も数百人単位を記録し、紛れもなくぷよ界最大規模のリーグ戦となった。

・「天才の一時帰省」……。突然の復帰宣言を経て、あの男が帰って来た。Youtubeチャンネル「まはーら宮殿」が開設され、まはーら氏による「ぷよぼ配信」が開始されたのである。この頃には2018年の「降臨」を知らないぷよらーも増えており、特に彼らにとっては刺激になったのではないだろうか。また、マッキー氏との「6年ぶりの再戦」が実現した回には、興奮と涙を禁じ得なかった方も多いと思われる(無論、筆者もその1人ですw)。配信開始が20249月で、現在までの最終回が11月。「短い旅」ではあったが、その才能を改めて、堪能させていただきました。

2025年度

・前年度からその傾向はあったが、この年のSEGAは主催のプロ大会より、「コミュニティ大会重視」「海外重視」の姿勢を鮮明にする。それを受けてコミュニティ大会は活況を呈し、特に「新おいうリーグ」と「青夏杯」が筆者の印象に残っている。

2026年も2月に入り、年度末が近い。28日(日)には1年の集大成となる「ぷよぷよグランプリ FINALS」が開催される。本稿で取り上げた「ぷよ界30年の歴史」の締めくくりとして、遅めの時間にはなりそうだが、筆者も現地観覧に伺うつもりだ。ぷよ界の「来し方」と「行く末」を、この目にしっかり焼き付けたいと思っています。


<執筆後期>
まずはここまでの長文、お読みいただきまして、ありがとうございました。書き終えての正直な感想は、「心残りが多い」。本稿は飽くまで一個人による「概観」であり、扱っている範囲が非常に狭いです。地方のことについてはほとんど書けなかった(筆者には無理)し。流れの都合上、泣く泣くカットした話も多いです。特に、ゲーム・センターは本稿で取り上げた所以外でも対戦会は多く、そこを書けなかったのは残念でした。そういった悔いはあれど、全力でこの30年間に向き合いました。お楽しみいただけていれば嬉しいです。

<謝辞>
・本稿執筆の直接の動機となったいりみど氏に、深く感謝いたします。
・偉大な先人、現役ぷよらー。みなさんの活動により、ぷよ界の歴史は紡がれていきます。一傍観者として、敬意を捧げます。
・本稿は「一記事でぷよ界30年の歴史を辿れるデータ・ベース的なものを作りたい」という想いから執筆されており、そのために多くのリンクを貼らせていただきました。リンク先の記事や動画をまとめてくださった方々、ありがとうございました。
・本稿執筆に際しては、「ぷよらーアドカレ部」に大きな刺激をいただきました。主催のさがわ氏、執筆ご担当諸氏に御礼申し上げます。
 
作成日時:2026/02/01 19:40
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