レーティング戦をボイコットせよ、精神衛生の為に

ぷよスポのレーティング戦に対する文句は既に散々言われているので、きっと今更感があるだろうが、この記事でその文句をまた繰り返したいのではない。そうではなくこの記事では、中級者以下の全プレイヤーに対し、レーティング戦をやめて気軽に対戦に移ることを呼び掛けたい。あなた自身の精神衛生の為だ。

初心者から見たレーティング戦

言わずもがな。苦労してようやく5連鎖が組めるようになったあなたにレーティング戦で待ち受けているのは、レート差 500 以上もあるような猛者共にただひたすら蹂躙され、敗北、敗北、敗北を重ねるのみだ。あなたが頑張って 5 連鎖を撃った？それは結構。相手はそれに合わせて 12 連鎖を返して来るだろう。そんなゲームをやってられるか。それで皆やめて行ってしまう。残るのはほんの一握りの鋼メンタルだけだ。

中級者から見たレーティング戦

あなたは本線 12-13 連鎖をそれなりに打てて、相手の 2 ダブを連結 2 ダブで返せて（返せなくても本線が撃てて）、相手が本線を撃ってきたら何とか伸ばせるだけ伸ばして発火できるとしよう。それで？ レーティング戦で当たるのはあなたの 2 ダブ対応を嘲笑うかのように 4 ダブで返してきて、6 万点の本線を撃てば 9 万点で返してくるような上級者だ。そうでなけば、折り返しが組めなくて本線 4 ダブをぶっぱして来る初心者だ。前者もひどいが後者はもっとひどい。

折り返しが組めない初心者にとっては、ぷよ通とは相手よりも速く 5 連鎖を完成させて発火するゲームだ。あるいは 4 ダブを、それとも 2 クアを。これは初代の戦い方だが、同じ実力の相手であればそれも良いだろう。だが中級者が相手だと双方に不幸な事が起こる。

中級者は 5 連鎖の土台が出来たからといって、即座にそれを発火したりはしない。そんな事をしても相手が 7 連鎖まで伸ばして返してくるのが解り切っているからだ。だから土台が完成するや否や相手が本線をぶっぱして来る可能性など最初から排除しているのだが、相手が初心者となれば話は別だ。初心者の相手が 5 連ぶっぱをした時、その試合は「あなたが発火色をツモれれば勝ち、運悪くツモれなければ負け」というだけの、ただの運ゲーになってしまう。あるいは初心者の相手は綺麗に階段を組もうとして、ゴミぷよを何度も何度も単発で消しつつ、ようやく完成するや否や即座にその本線を放ってくるのだが実はそれが暴発している。あなたから見れば、それはこちらの発火点にたまたま邪魔ぷよが降るまで（自分のリソースを犠牲にしてでも）単発を繰り返して、荒らしに荒らされたフィールドがついに埋もれたと見るや否や本線を破壊して攻撃を放ってきたように見える。掘りが間に合えばこちらの勝ち、掘れるツモが来なければ負けるだけのゲーム。運で勝っても何も嬉しくないし、負けても全然納得できない。更に悪いことに、相手が初心者ということは相手とのレート差も大きく開いていて、勝ってもレートが 2 とか 3 しか上がらず、負ければ 32 を失う試合となる。その状況で丁半博打に持ち込んでくる相手の行為は、あなたの目には非常に卑劣でアンフェアな行為と映る。本当は相手にそんなつもりは無いのに。

悪いのはそれだけではない。いつ相手が不意に 4 連鎖を放ってきてもおかしくないとなれば、折り返しを一旦組み換えて多重にするだとか、土台の完成は後回しに第二折りを組み始めるだとか、そうした将来の利益のために一瞬でも隙を作るような行動は絶対の禁忌となる。いつでも発火点を開けて、いつでも本線が撃てるようにしながらのプレイを強いられるわけだ。上級者ならそれでも完璧に対応できるだろうが、それができるなら既にあなたは中級者ではない。飽和はどうしても犠牲になる。そんな試合がずっと続いた後に今度は同じようなレベルの中級者と当たったとしよう。そこですぐにプレイスタイルを変えられるならば良いが、さもなくば相手の本線 11 連鎖に 9 連鎖しか返せない事態となる。1 試合あたり 2 ずつ上げたレートが一瞬にして 20 くらい奪われる。屈辱の極みだ。ひどいゲームだ。いや、それ以上に自分はなんて下手なんだ。相手の先撃ち 4 万点が返せないだと！？ もう年単位で続けてきたのにまるで上達できてないじゃないか。自分の実力なんて所詮その程度なんだ。自分の可能性なんてそこまでなんだ。この先幾らやっても上手くなんてなれないんだ。ぷよなんて今すぐやめた方がいい。もう一戦やって、またしても負ける前に。

冷静になりましょう。悪いのはあなたじゃない。

同じレベルの相手と優先して当たれないなら、何のためのレートなんだ？

そもそもレートは何のために存在するのか。20th、ぷよクロ、ぷよテト。これまでのどんなタイトルでも、ランダムマッチで同じくらいの実力の相手と当たる為にこそレートは存在してきた。レートに一切関係なくマッチするのは「ぷよスポ」だけだ。一体どんな理由があってそんな仕様にしたのか知る由も無いが、ここに来てレートはあなたに対して、その上がり下がりに一喜一憂させ、あなたの自尊心と精神の健康にボディーブローを喰らわせ続けるだけのシステムと化してしまった。ゲーム内の演出もそれに拍車を掛けている。とりわけ大きいのが「リーグ」の存在だ。当たる相手の力量が乱高下するこの状況下で、それもただの 2 先で高い勝率を維持できなければ、待っているのは、あの精神的ダメージに追い討ちを掛けるような SE と共に表示されるあなたのリーグが下がりましたの青い画面だ。無意味なシステムと重々承知していても尚、あれを見て精神の安寧を保てる者が一体何処に居ようか？

レーティング戦で消耗するのはもうやめよう。「気軽に対戦」をしよう。

連戦は友達とするものだと思ってる人も居るかも知れない。あるいは誰もが名前を知っていて、大会のような大舞台で戦えるような上級者だけに許された権利だと思ってる人も居るかも知れない。断じてそんな事はない。やってみればわかる。知らない人と 10 先をするのがどんなに楽しいか。相手との実力が拮抗していなくたっていい。相手が格下だったら、いつもより余裕を持って中盤の形を綺麗に組む努力ができる。いつもより余裕を持って相手のフィールドを読み取れる。相手が格上だったら、勝てないのは承知の上で、それでも出せる力を全力でぶつけて行こう。画面上部まで限界まで伸ばして、それでも火力で負けたっていいじゃないか。相手から飛んできた 3 ダブに対して用意できた限界の対応がただの 3 連鎖でも、それでいいじゃないか。勝っても負けても失うものは無いし、それどころか試合の経験が必ず得られる。どんな相手とやっても両者何も失わず、そして両者共に必ず何かを得られるのだ。最高じゃないか。ぷよぷよとは本来そんな素晴しいゲームだったはずだ。

だから皆さん気軽部屋に来て下さい。最近ちょっと過疎り気味なんです。私の遊び相手になって下さい。お願いします。