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【セカンドの限界】ぷよ量と時間の関係式_part2

by
いしてん
いしてん
こんにちは。
前回に引き続き、本質についてお話していきます。(前回記事)
前回記事の内容は読んでいなくても大丈夫です。

まず、「ぷよ量と時間の関係式」を少し直します。
その後に、一定時間内にセカンド(ぷよ量0からの本線)がどれだけ組めるのか、を調べてみます。(こっちだけ見たい人は、前半は飛ばしても大丈夫です)



0. 前回のまとめ
 
 前回の記事を投稿後、自分で読み直してみたら、深刻なレベルで読みにくかったので、今回使う式はこちらにまとめていきます。

 まず、フィールドにあるぷよ量が R_0 個の状態から、ノータイムでツモって、ぷよ量が R になったとします。このときにかかる時間 t (単位はフレーム)は、

となりました(式1)。この式には誤差があり、一手当たり1フレーム分くらい早い評価になっている傾向がありました。


 上の式は、フィールドを6列すべて使って、ノータイム、ちぎりも回しもなしで置いている状況を考えています。

 幅 w (w=1~6)で組んでいるとすると、(式1)は次の形に変わります(式2)。


 また、ちぎり、回し等のタイムロスを考える方法として、t を t - t_loss で置き換えることを考えました。例えば、(式3)

 となるとき、100万TAの世界記録を参考にして、 α = 0.0490 になりました。

 

 以上が前回のまとめです。



1.(式1)の誤差をめっちゃ減らした

 前回の(検証・誤差)において、一手当たり1フレームだけ早い評価になっていそうだ、ということがわかっていました。そこで、一手、すなわち (R- R_0)/2 の係数を1だけ増やした式を考えました。



 これを(式1')とします。前回の検証で使った実測値とのずれは、
式1…最大44.4 , 平均13.94 , 絶対値を取った平均14.4
式1’…最大20.2 , 平均1.28 , 絶対値を取った平均4.68
 となり、かなり小さくなりました。見た感じ目測の誤差ばっかりが残っていそうです。(一枚目:(式1)との差、二枚目:(式1')との差。読みたいときは新しいタブで開いてください。)








(正当化)
 適当にいじってしまったので、ちゃんと正当化したいと思います。前回記事でやった「離散的な式」との比較を、平均化せずに(ずっと誤差0で)やりました。これにより、半回転も考慮できるようになり、1/2の確率で半回転したりしなかったりすると仮定すると、二通りのモデルに対し、(式1’)は誤差0になりました。
 一手置くのにかかる時間は、前回同様ラッティーさんの記事(https://puyo-camp.jp/posts/71019)参照です。


・一つ目のモデル(縦置き)


図のように1手目、2手目、3手目…と置いていくと、フィールドが埋まるまですべて置くのにかかる時間は、
 56 + 54 + 54 + 52*3 + 50*3 + 48*3 +…+ 34*3 + 32*3 + 32 + 30
となります。
 3+3n 手だけ引く時間を考えると、(0≦n≦10)

となります。
 3+3n_0 手引いた時点と、3+3n引いた時点との差を考えます(n_0<n)。R_0= 6+ 6n_0 , R= 6+ 6n を用いて変形すると、



となります。
 (式1)と比べると、二次の係数は一致していて、差は R- R_0 です。よって、一手(すなわち(R- R_0)/ 2) あたり2フレーム遅くなっています。これに半回転した場合は、一手当たり2フレーム早くなるので、(式1)と完全に一致します。よって、(式1’)と比べると一手当たり+1フレーム(半回転なし)または-1フレーム(半回転あり)になるので、平均すれば誤差は0になります。

 これをもって、このモデルに対しては(式1’)の誤差は0であると言えました。



・2つ目のモデル(横置き)



このように置くときも、上記と同様にして計算します。4+3n 手だけ引く時間を考えると、(0≦n≦10)


となり、さらに変形すると、(式1)よりも一手当たり2/3フレームだけ遅くなっていることがわかります。半回転すると、一手当たりさらに2/3フレームだけ遅くなるので、(式1)と比べると4/3フレームだけ遅くなります。(式1’)と比べると、-1/3フレーム(半回転なし)または+1/3フレーム(半回転あり)になります。
 こちらでも合わせて誤差0です。



(正当化終わり)





 ということで以降は(式1)ではなく(式1’)を使っていきます。(式2)も書き換えておくと、


となります(式2')。(式3)のα も計算しなおすと、


となりました。





2. 相手のm連鎖中に組めるセカンドの限界

 上記にもあるラッティーさんの記事によると、m連鎖が消えるのにかかる時間は、約82mフレームです。この時間を基準として、R_0 = 0 からどこまでツモれるかを計算してみましょう。


 ひとまず6列使うことを考えて、(式1’)を用いて計算します。「マッキーセカンド」等を想定して、 t_loss = 0 としておきます。

(表1)



 まずはぷよ量R を見ていきましょう。私が一番気になったのは、相手が19連鎖撃っている時間で、こちらは R= 75.1 、つまりほぼ19連鎖分ツモれるということです。SEGAの開発者の想定があったりしたのでしょうか。昔話になりますが、ACぷよ通で、TAS同士が特大連鎖を打ち合う、という動画があるのですが(ニコニコ動画)、こちらは19連鎖を打つ側がしばらく待った上で、セカンドはR= 74 なので、やはりぷよスポのほうが多くツモれるようになっているようです。(あんまり変わんなくね?キャンセルのせい?)



 次に、ぷよ量と連鎖数の関係も見ておきます。
最大連鎖 … R/ 4 小数切り捨て
最小連鎖 … (R-12)/ 4 小数切り上げ
 で計算しています。すべて4連結で消すことを考えると、余るぷよが 0~12個(各色3個ずつ)になるためです。色が偏りすぎで連鎖が組めないみたいな場合は考えていません。
 余るぷよを平均6個だと思って、大体の連鎖数を出したのがアバウト連鎖です。小数部分が大きくなるほど組む難易度が下がり、+1連鎖もしやすくなる、みたいなノリです。
 


 例として、セカンドが大きめの(6列全部使いたい)状況を考えてみます。相手が13連鎖を先打ち、こちらがその連鎖時間いっぱいまで伸ばしたとします。こちらの連鎖数が14なら、相手はセカンドをアバウト11.1連鎖組めます(表1)。点数的には7,8連鎖で返るので、セカンドが安定している人相手なら結構不利です。こちらが15連鎖なら、相手はアバウト12.2連鎖組めます。点数的には10連鎖で返るので、理論値セカンドを組まれたら負けます。感覚としては11連鎖でもだいぶ難しいなあと思うのですが、どうでしょうか。下に載せますが、タイムロスを考えたときはアバウト10.8連鎖になるので、こちらを(飽和を意識して組んだ人の)理論値と思うと、かなり難しそうです。

↑↑↑こういう状況の有利不利がわかる人がいたら教えてください!!!





 次に、幅を狭くして組んだ場合(式2’)を計算します。ついでにタイムロスがある場合も考えます。以降はぷよ量R のみの表になります。


(表2)


 一列当たり13個しか置けないので、w= 1~5 のときはほどなくしてカンストします。このままだと分かりづらいので、散布図と差分の表を載せます。



(表3)

 グラフ縦軸1目盛の差が一手分になります。グラフも近くなっちゃって見づらいので、正確に見たいときは(表3)の値を÷2すれば何手分の差なのかがわかります。w= 6 のときと比べると、狭く組んだ時は、カンスト付近で2~3 手だけアドバンテージを得ていることになります。

 2~3 手と聞くと、それほど大きくない気もしますが、「発火色が引ける確率」を考えるとかなり違います。一手で特定の色が来る確率は7/16 なので、一手多く引けたら、発火色がずーーーーーっと引けない確率は9/16 倍、すなわちほぼ半減します。+2,3 手のときは、引けない確率は81/256= 約0.32倍、729/4096= 約0.18倍、となり、だいぶ有利になります。



奇跡、みたいなもん。
 セカンドの具体例として、次の動画の2Pのセカンドを見ていきましょう。
 
 これがほぼ理論値になっています。まあ見るからにそうですね。
 まず、全消しから21手ツモって(R=42) 10連鎖を打っているので、Rと連鎖数の関係において理論値です。次に、Rと時間の関係を見ると、1Pの連鎖時間が11連鎖分+ちょっとくらいです。対して2Pは大体4列使って組んでいるので、(表2)より、11連鎖の時間でツモれるのがR= 41.3 です。さらに、+ちょっとの連鎖時間と、上部2か所を尖らせた分(キャンセルもないと間に合わない?私にはわからない)で+0.7だけツモって、無事R= 42 となりました。奇跡みたいなものです。






3.まとめ

 (式1)を見直して、セカンドの考察をしました。

 誤差はほとんどなくなったし、セカンドは結構組めるし、うれしいですね。

 今回の記事はこれで以上になります。いかがでしたか?


 やっと応用例が書けました。まだR_0=0の場合しかやっていないので、もうちょっと複雑な状況の応用例も書きたいです。
 
作成日時:2023/11/19 00:56
カテゴリ
上級者向け
コメント( 1 )
いしてん
いしてん
2023年11月19日 1時6分

縦置きのほうの図が間違ってました。6が二つありますが、赤いほうを7にして、7以降は+1すると合います。

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