東京ゲームショウ2018で開催される ぷよぷよチャンピオンシップ のトーナメント表が公開されたが、組み合わせに偏りがある。トーナメント表の右下の部分である。下記のツイートをしたところたくさんリツイートされたので関心のある人は多そうだ。
18人でのトーナメントなので1戦多い選手が4人出るのは仕方ない。その配置、つまり1戦多い選手同士が2回戦で当たることが問題なのである。
4月のぷよぷよカップでもトーナメントの配置の問題は発生していた。
今回は レジェンドVS新世代 という企画上、トーナメント表がこの形になるのはやむを得ない部分もあるが、配置が勝率に影響するということを運営が分かってなさそうなので説明しておこうというのがこの投稿の趣旨。
この配置の何が問題なのか、どう配置すべきなのかということについては下記の4研DDTさんの記事の【理由2】で簡潔に書かれている。
(引用)
> この(A)の形のトーナメントは、5試合行うプレイヤーが不利なのは人数の関係上仕方が無いのですが、
> 5試合行うプレイヤーが1回勝ち進むとすぐに既に1回勝っているプレイヤー(つまり他の人より強い)
> と戦うことになり、準決勝以上に進める可能性がますます小さくなります。
ただ、これを読んでもピンとこない人も多いと思うので、実際にどれくらい差があるのかコンピューターシミュレーション(モンテカルロ法)の結果を示そうと思う。上記の記事にある「(A)発表されたトーナメント」と「(B)一般的に公平とされるトーナメント」のそれぞれで大会を100万回ずつ模擬的に実施し、1戦多い4人の中から優勝者が出る確率を比較する。
シミュレート条件についても説明したかったが、この記事を書いている途中に直前の操作を取り消そうと思って Ctrl+Z を押したら文章全体がかなり前の状態に戻されてしまって脱力しているので今回は省略する。後日、シミュレートの実行が可能な形でプログラムを公開するかもしれない。
という訳でいきなり結果発表。
(A)で1戦多い4人の中から優勝者が出る確率:13.6%
(B)で1戦多い4人の中から優勝者が出る確率:14.2%
「(A)発表されたトーナメント」のほうが1戦多い4人にとって不利であるという結果が出た。差はわずか0.6%だが、試行回数が100万回と多いので統計的に有意な差になっていると思う(検定は未実施)。
0.6%くらいの差なら無視していいということではなく、AとBを自由に選べるなら少しでも公平なほうを選ぶべきである。元々、平等な18人中の4人なら22.2%であるべきところ、1戦多いハンデを背負っているうえにさらに人為的な組み合わせによって勝率が下げられているのだ。という訳で今後の参考にしてほしい(今回は レジェンドVS新世代 の企画との兼ね合いもあっただろうが、その点については本記事では考慮しない)。