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和訳

by
N_urikabe
N_urikabe
ぷよE = ぷよぷよeスポーツ
誤訳があればコメントで指摘しといてください。



The lack of Spectator Mode is hindering Puyo's growth in the West
~ 観戦モードの欠如が欧米のぷよコミュニティの成長の妨げとなっている
元URL https://puyo-camp.jp/posts/101791


日本国外でのぷよ環境に関する限りでいえば、パズルゲームの最高峰を(公式で)プレイできるようになったぷよEは素晴らしい成果だといえます。
eスポーツを謳った最初のぷよとして、ぷよEはプロ(級の)プレイヤーたちが長年求めてきたQOLを向上させるような多くの機能が移植されていました。
SEGAがぷよEでプレイヤーのニーズに応えたことは素晴らしいことだと思います。
さらに、ぷよEが日本国外でもリリースされたということは、SEGAはぷよを世界規模のタイトルに成長させるつもりがあると見ていいでしょう。

そうは言ったものの、欧米のぷよコミュニティには改善すべき固有の課題が無数に存在しています。
ぷよEでオンラインアンケートが行われ、多くの意見が寄せられているのは理解しています。理解していますが、私は公の場での議論を促し、最も解決すべき共通の課題を共有したいと考えています。
ぷよEのSeason2も終わりに近づき、ぷよの前作が発売されてから4年目に突入しようとしています(ぷよクロの発売年は2016年です)。ぷよ新作が開発進行中である可能性はこれまで以上に高いはずです。新作の開発が進行中であるとすれば、現在がプレイヤーからのフィードバックが最も重要なタイミングであると言えるのではないでしょうか。

この投稿の論点を大まかにまとめると、ぷよ新作が最も注意するべき要素は3点。
オンライン、トレーニング、色弱者への配慮です。これら全ての要素を実装してほしいですが、開発状況や人的資源配分の優先順位などの問題でこれらの機能や修正が難しくなることも重々理解しています。
ある1つの要望を除いて、この投稿に書かれたすべてが次回作または将来のぷよで実装されることを期待も要求もしません。
この投稿は要望というよりも、ぷよに興味の出た人たちが直面するであろう障壁を最小限に抑えるために、これからのぷよぷよはどのような機能持つべきなのか、それを整理し、その概要を説明することを目的としています。


観戦モード

もしかしたら触れてはいけない話題なのかもしれませんが、欧米のぷよコミュニティから最も要求された機能はこれです。
第三者が試合を観戦する機能です。観戦モードは、以下の3つの理由からぷよの次回作で必須の機能だと考えています。

1. 欧米のぷよコミュニティはメンバーが各地に散らばりすぎていて、トーナメントを開催する際はほぼオンライン行われている。

残念な話ですが、日本国外でぷよはまだまだマイナーなゲームです。その上ほとんどのプレイヤーは国境を超えなければならないレベルの距離で隔たれており、強い相手や手頃な相手を見つける唯一の手段は「オンラインに潜ること」になります。
欧米に住む私たちの多くにとって、ローカルプレイは選択肢にはなり得ないのです。 EVOサイドトーナメントやパーフェクトクリアなどの大規模イベントでは高品質なローカルトーナメントに参加できる機会は確かにありますが、頻繁に行われているわけではなく、多くの人が参加するにはあまりにも参加費用(旅費も含む)が高額です。

参考:Perfect Clear の参加費 
https://smash.gg/tournament/perfect-clear/details

2. オンラインイベントは観戦モードなしでの開催はかなり難しい。

観戦が可能であれば、主催者はトーナメントの進行を確かめることでき、参加者と観客はリアルタイムで試合を観戦することができます。
観戦方法がなければ、ライブでのトーナメント開催は難しくなる上に、(現在プレイヤーでない人たちに)ぷよに興味を持ってもらうことも難しくなります。

3.欧米のネットインフラでは、個人的に試合をストリーミングするのは不可能に近い、またはお金がかかりすぎる。

オンライントーナメントを行う際に考えられる解決策の1つは、すべての参加者に試合を記録またはストリーミングをさせることです。ただし、これには高額なストリーミング用の機材が必要であり、それによって参加できる人は制限されてしまいます。
ストリーミング機能はPS4には組み込まれています。一方で、はるかに多くのプレイヤー数が見込めるはずのSwitch版ですが、Switchにはストリーミング機能はなく、オンライントーナメントへ参加できるプレイヤーはPS4以上に制限されてしまいます。

また高品質なネット環境は非常に高価であり、一部の地域ではそのようなネット環境を選択することすらできません。
つまりストリーミング必須のオンラインぷよトーナメントに参加すると、ネットワーク接続の質を妥協してストリーミングを行わなけれならないプレイヤーが多数でてくるということです。

4. HD のぷよは疑似プレイヤーが観戦者となる解決策を妨げる(HDってなんの略や

他の解決策は、有名プレイヤーのぴぽにあが主催したおいうリーグで行われたように、観戦と記録を担う3人目のプレイヤーを試合に参加させる方法です。3DSでは、デュアルスクリーンの独自のレイアウトにより、この方法がうまく機能しました。
ですが、PS4およびSwitchでは4プレイヤー表示のレイアウトに切り替わり、とても扱いづらいです。
また3人目のプレイヤーを存在させると、試合をしているプレイヤー2人に遅延を引き起こし、参加者のぷよ体験を損なうことに繋がります。

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欧米のぷよコミュニティの成長にとって、観戦モードの実装は控えめに言ってめちゃくちゃ重要です。観戦モードがないことによる障壁により、トーナメント主催をする意思がある人がいるにも関わらずトーナメントを行うことができない状況が続いています。この投稿のすべてのリクエストのうち、観戦モードは「あったらいいな」というレベルの話ではなく、次に世界規模で販売するぷよぷよには絶対に必要な機能です。

オンライン環境

観戦モードの欠落はオンライン環境に関する問題全体のうちの一要素です。欧米のぷよコミュニティは(日本などに比べると)インターネット上の関係に偏っているため、オンラインモードはオフラインと同じことができるだけでは不十分です。コミュニティの構築を助けるような機能がオンラインモードには必要です。

1. ロビーデザイン

レート戦は二つの問題を抱えています。1つ目は、各レート戦は2先で運要素がかなり高く、結果レートが分散しまうことです。この2先のレート戦のランダム性の高さに文句をつけるプレイヤーはかなりいます。2つ目は、さっき戦ったプレイヤーと再戦する選択肢がないことです。再戦機能は他の対戦ゲームではよく搭載されている機能です。

フリープレイについて言えば、まだ試合を開始していないロビーだけがリスト表示され、対戦が始まると消えてしまいます。つまり、プレイヤーが現在どの程度対戦が行われているを確認できる時間はごくわずかしかありません。これにより、オンライン人口は実際より人が居ないように見えてしまいます。実際にはたくさんのぷよ対戦が行われているとしても、フリープレイの誰も居ないリストを見た新規プレイヤーに「オンラインに全く人が居ない、過疎ってるのか」とよく聞かれます。フリープレイのロビーリストに対戦中のロビーをただ表示するだけで、プレイヤーたちにオンライン環境へ参加し続けようという意思を持たせることができるはずです。

2. 勝ち抜き戦形式のフリープレイロビー実装(?)

よくわからないので割愛。
勝ち抜きで待ちキューありのロビーということらしい。
Under Night In-BirthやVirtua Fighterを含む多くの1対1対戦型ゲームで、このタイプのロビーが採用されているらしい。
有識者の解説を求む。



3. 不正行為に対してのレート反映

レート戦のプレイ環境と対戦時のチート行為を防ぐためにセガが行った努力は評価していますが、現状依然として容易にチートが行える状態です。ハッカーはレーティングを操作することで相手を自由に切断可能であるし、レート戦でラグスイッチを使用するような相手は今も害悪であり続けています。

4. Netcodeの改善(ラグ等の改善

貧弱な欧米のネット回線がもたらすもう一つの影響は、柔軟性がないネットコードを実装したゲームではオンライン経験が損なわれるということです。ぷよぷよの場合、ネットプレイの遅延によりドロップし続けたりコントローラーの入力が何度も繰り返されるというようなことが起こります。さらに、ラグが発生している間もゲームエンジンは動作しているため、普通は落下する前にはわずかに間があるはずのおじゃまぷよが、即落ちてくるようなことも起こります。このような問題は能力を最大限に発揮できないプレイヤーたちのやる気を低下させ、彼らがぷよぷよを完全にやめてしまうというリスクが高くなります。

5. クロスプレイの実装

コンソール間のクロスプレイはeスポーツを謳うゲームにおいて標準的な機能になりつつあります。ばらばらのプラットフォームを一つにまとめ上げることはマイナーなコミュニティにとって大きな恩恵になりえます。

トレーニング

初めてぷよを学び、新しく連鎖を覚えようとするプレイヤーはとことんぷよぷよモードをプレイしがちです。ぷよEのチャレンジモードの追加により、とこぷよ関連の問題の多くは改善されましたが、ぷよEは本当に必要とされているトレーニングモードを欠いている状態です。オンラインでトレーニングモードをプレイできれば、リアル友人と練習を重ねるのと同じくらい有用なモードになるはずです!

1. 巻き戻し機能

以前のぷよでは、とことんぷよぷよに巻き戻し機能がつき、プレイヤーが行った動きを少し遡ることができるモードがありました。
あれは、プレイヤーが連鎖構築を試行錯誤するのにとても優れたツールでした。あのモードが今後のぷよの標準機能として実装されることを願っています。

2. 落下速度の調整

「ぷよの落下速度が速すぎて、ぷよをどこに置けばいいか考える暇がない」と新規プレイヤーからの不満をよく聞きます。
巻き戻し機能があっても、ボタンを常時押したり放したりを繰り返してぷよを落下させない操作が必要なため、連鎖を組むのに完全に集中することができないという問題がありました。落下速度を自由に遅くしたり停止したりできるようになる機能があれば、とても快適なぷよ教育の環境が作れるのではないでしょうか。

また落下速度を上げることで、判断力を向上させるというトレーニング法を提供することもできるはずです。これにより、プレイヤーは通常よりも早く組ぷよを配置する方法を学ぶことができます。

3. 制限時間が30秒のスコアアタック

現在、ぷよEのスコアアタックモードの最低目標時間は60秒です。ですが、多くのプレイヤーたちは30秒ほどで大連鎖を構築しますし、それが連鎖力のベンチマークとなります。制限時間を30秒として設定すれば、プレイヤーの能力を上げる有意義なトレーニングツールとなります。

4. フィーバーの連鎖を練習できるモード

現在、特定のフィーバーモードの連鎖のタネを伸ばしていく練習をすることは、非常に困難です。特定の連鎖のタネをその場で作成できるような機能があればとても役に立つはずです。
さらに、以前のぷよでは、連鎖のタネの発火点が選択した難易度によってはターゲット表示されていました。
あのターゲット表示は、連鎖のパターンをまだ理解していなかった新規プレイヤーにとって非常に役立った機能でした。

色弱者への配慮

色の判断はぷよをプレイするにあたって必須のスキルです。アメリカではおよそ10%の人が色の識別ついて何らかの問題を抱えています。ぷよの色が判別できない(しにくい)ことは単純に不利であり、ぷよをプレイできないことにつながります。

Switchで発表されたSEGA AGESのぷよ通の色編集機能は、ハンデをもつ人々にぷよを広める大きな一歩でした。この項目では、実装されれば更に良いと思われる要素を挙げていきます。

1. レッスンモードでもぷよスキンを選択できるようにする

オプションでデフォルトにどのスキンを選択したかにかかわらず、レッスンモードではすべて同じ形かつ同じような彩度のチョークで描かれたぷよが使われます。これでは色弱者はレッスンモードをプレイすることは事実上不可能です。

2. 出現する色の固定

色弱のプレイヤーはそれぞれ認識しづらい色や色調を持っていますが、ぷよは5色の色からランダムで4つの色を選ぶシステムです。表示される4色を自分が認識しやすい色に指定できるようになれば、色弱のプレイヤーの助けになるはずです。

3. 色弱者向けのデフォルトスキンの実装

現在、色弱のプレイヤーは判別のしやすさからソニックスキン・フラットスキン・メタリックスキンなどを使うことが推奨されています。しかしこれらのスキンはそもそも色弱者救済の目的で設計されたものではないため、考えられうるすべてのタイプの色弱者をカバーできているわけではないはずです。またそれらのスキンは全体的にあまり使いたいと思うようなデザインじゃない傾向があります。
最終的な目標は、将来のぷよのデフォルトスキンが十分魅力的でかつ色弱者でも使えるようなスキンであることです。これはプレイヤーだけでなく、観戦する色弱者たちにもメリットがあります。

最終的な考え

最近のインタビューで、細山田プロデューサーはぷよの世界大会を開催するという展望を発表しました。しかし、30年栄えてきた日本のみが世界レベルである今、開催した世界大会が果たして世界大会と言えるのでしょうか。世界を視野に入れているのなら、ぷよも世界へ向けて変わっていくべき時ではないでしょうか。
細山田さんの世界大会への期待は、世界中のぷよぷよファンの間でシェアされています。私たちの多くにとって、世界大会の開催は願ってもないことです。
SEGAが欧米のコミュニティのニーズに耳を傾け、ぷよの改善を本気で続けてくれるのならば、きっと私たちのコミュニティも同様に本気で応えるはずです。
作成日時:2020/02/22 03:08
コメント( 1 )
ユッキー
ユッキー
2020年2月23日 23時3分

とても興味深い投稿の和訳をありがとうございます。
HD gamesですが、3DSに対してPS4とSwitchをまとめてHD(high definition) gamesと呼んでいるのだと解釈しました。3DSの独特な2画面構成(を活かした疑似観戦)に対しての(最近の)HD画質(で1画面向けであるが故に4列レイアウトとなってしまう)ということなのかなと思います。

きゃらめる
N_urikabe
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