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デスノート風にぷよぷよを語る。
by
横えび
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「(ぷよぷよにハマッた者は不幸になる、か・・
まあ横えびは自分が不幸だとは最期まで気付かなかったようだし、死ぬまでぷより続けられただけでも幸せか・・)」
「さあて、今日も今日とて
ぷよ通稼ぎ
を・・ な、なんだこりゃ!ランキングベスト5が全部入れ替わって・・!?」
「スコアを全部差し替えておきました」
「1位は150万超、5位も130万を超えているとは・・ あり得ない!スコアじゃなくて、基板を差し替えたんじゃないのか!?でなければ、難易度を細工したとか」
「いいえ、このぷよ通筐体は昨日から一切いじっていません」
「なんだって?」
「ジェバンニが一晩で稼いでくれました。私もそれは無理だと思っていたのですが、ジェバンニは”できる”と即答してくれました」
「な・・ っ!!」
「な・・ 何を言い出すんですか、次長!勤務中にぷよスポをやるなと言うんですか!?」
「私ではない、上が言ってるんだ。もちろん私も反論した」
「な・・ 何故上がそんなことを・・ ま・・ まさか、ぷよスポのせいで我が社の業績が悪化したなんて、本気で考えてるんじゃないでしょうね?」
「夜神・・ 会社あってのぷよぷよeスポーツだ・・ 社が潰れれば社員もぷよどころではなくなる・・」
「次長!何を情けないことを言ってるんですか!! ・・もし、今後もぷよスポを続けると言えばどうなるんでしょう・・?」
「もちろん私も、日々命懸けで上司の目を盗みながらぷよスポしている君達にやめろとは言わん・・ しかしやるなら、社内で割り当てられる通常の業務をこなし、ぷよスポは勤務時間外にその日の仕事を全部済ませた上でやってくれ」
「つまり・・ 少なくとも・・ 勤務時間中にぷよスポをやるのは禁じると?」
「・・そうだ。社内ネット設定を勝手にいじることはできないし、勤務時間中にぷよスポにログインすることは認められん。社会人は勤務中に仕事を最優先するのが当たり前だ」
「・・・・このまま私達が、社内でぷよスポ配信を続けたらどうなるのでしょう?」
「・・・・それを私の口から言わせるのか・・・・?」
「・・・・わかりました。失礼します」
「! 夜神、まだ返事を聞いていないぞ」
「社内ぷよ普及に有力な情報を下さったことに感謝します」
「相沢、松田。これからもぷよらーであり続けるつもりがあるなら、私達と共に・・ 今から社へ辞表を出しに行くんだ」
「「!!?」」
「もう会社を辞めなければ、本気でプロライセンスを目指すことはできない」
「ど・・ どういう事ですか?」
「そ・・ そうですよ。社会人ぷよらーだからこそ経済的にも安定するんじゃないですか?」
「簡単な事だ。“これ以上ぷよぷよにのめり込むならクビだ”今、そう言われてきた。ただそれだけだ」
「そ・・ それで局長は本当に辞める気なんですか?」
「ああ、数時間後にはもう局長ではないな。皆、自分の生活がある。よく考えて決めてくれ」
「し・・ しかし局長・・ 正直、退職したら無職になるってことですよ・・?ぷよぷよを続けられたとしても、その先どうするんですか?」
「その先だと?ぷよぷよさえ続けられれば、それ以外のことなどどうでもいいではないか
(にっこり)
」
「い、いや、しかし・・ それは・・・・」
横えび「あのー、さっきから何故そんなにゆっくり組んでいるのですか?」
うろこさかなびと「あ、これ?これはですね・・ 6秒後にアナタを潰すから」
横えび「えっ!?どういう意味・・・・
ギャアーーッッ!!!
」
うろこさかなびと「さようなら、横えびさん」
「リューク。閉店した
扇ヶ丘レジャーセンター
から借り受け、今我々が持っているぷよぷよシリーズ基板。所有権は誰にある?」
「へっ?いや、普通に考えて俺達か・・?いや・・ 仮に扇が放棄しなくともその後運営会社も倒産したし、閉店後相当な期間俺達が持っているから移ったのか・・?」
「・・扇が閉店しなければよかったのにな・・」
「でもさーっ、この基板は扇に憑いてたんだから、扇がなくなっちゃったら関係なくない?持ってる人の勝ちじゃん」
「・・ミサは寝てろ」
「竜崎、見てますか?」
「はい」
「御覧の通り、もう潰される寸前でして・・ 助かる方法はないでしょうか?」
「潰される前に死ぬことです」
「・・はい?」
「
ホーリーカウンター
を使えばなんとか」
「ホーリーカウンター?」
「幸いまだ速攻を打たれていないので、助かるかもしれません。それにはカウンターの形もさることながら、殺される前に死ぬこと・・ 『確実に潰せた』と相手に思い込ませることです」
「な、なるほど・・ わかりました・・ やってみます」
「あなたはマスターでも神でもなんでもない―――― 単なるゲームおたくです」
「!」
「そしてぷよぷよは、史上最悪の廃人ゲームです。・・あなたがまともな人間だったら、一度は興味本位でぷよぷよをプレイしてしまったとしても連鎖を組むことによって起きたことに驚き、恐れ、二度とぷよぷよで遊ぼうとは思わない。・・・・極端な話・・・・ 1ヶ月かそこらでぷよぷよに飽き、15連鎖どころか5連鎖も組めぬままやめてしまう人間の方がまだ私は理解できますし、まともだとさえ思います。あなたは大連鎖の魔力に負け・・ 連鎖神などになろうなどと勘違いしている・・ クレイジーな
ぷグルイ
。ただそれだけの、何者でもありません」
えるしっているか
しにがみは
あんどうりんごしかたべない
「(ん?電話か・・ 非通知か?)」
「ぷよ通狂グループ第一営業部部長の奈南川零司さんですね?」
「ああ、そうだが?」
「適当に相槌を打って聞いて下さい」
「ん?何だ?」
「私はLです」
「(!! L!? 馬鹿な・・ ま・・ まさか・・)うむ、うむ」
「あなたの睡眠中、あなたの体内に特殊ナノマシンを埋め込まさせて頂きました。あなたの視点と思考は総て解析済です。今、あなたは2手先の緑ゾロを左上に乗せ換え、逆階段の連鎖尾と合体を狙っている。にもかかわらず、マッキー側フィールドを7秒以上も無視している。そうですね?」
「ああ、そうか・・(か、完全に凝視されている・・ も・・ もう終わりだ・・!!)
「くそっ!!やられた。やられまくった!学生共め・・ こんな屈辱は生まれて初めてだ!!」
「・・・・連中よりももっとやり込めばいいじゃないか」
「そうしたくても、ぷよれる時間が圧倒的に足りないんだよ!」
「わ・・ 悪い・・」
「学生がぷよをやり込むのと、社会人がやり込むのを同じ次元で考えるな!」
また、うろこさかなびとに潰された・・
計 画 通 り
これで、2,134回目の対うろこ敗北。
あと7,865回潰されれば、僕は全一スコアラーになる。
僕は連鎖界の神となる・・・・
「竜崎、ゲームバーや個人宅を転々とする体制、何とかならないのか?ひとつの場所に腰を落ち着けてぷよるべきだと思うが」
「はい、私もずっとそうしたいと考えてました。扇が無期限休業宣言した後から、準備に取り掛かってはいたんです」
「?? 一体何を言ってるんだ?」
「これです。レジャラングループ総本山の
バイパスレジャーランド藤江
。藤江本館、藤江新館、宿泊施設の
金沢ゆめのゆ
。ぷよぷよ通対戦台2セット、初代ぷよぷよ、ぷよぷよSUN、ぷよぷよeスポーツアーケード4セット、ぷよノート、上海シリーズ、テトリスシリーズ、コラムス、対戦ぱずるだま、ミスタードリラー、パズルボブル、バグバグアニマル、アルカノイド、マネーアイドルエクスチェンジャー、ズーキーパー、ロジックプロ、中国龍、麻雀、将棋、その他各種パズルタイトル、3媒体同時配信設備。IPS新時代にふさわしい聖地です」
「すごいな・・」
「外見はただのゲームセンターですが、対戦フロアまで上がるにはぷよぷよ通と同じくCPUとのぷよ勝負に勝ち抜かなくてはいけません。つまり真の強者以外は、絶対に対戦できない仕組みです」
「それにしても凄いな、ここまでするなんて・・」
「と言うか・・ こんなお金、どこから出るんですか?」
「・・つまり・・ 私はどんなことをしても連鎖界に輝きを取り戻したい・・ そういうことです」
「いや・・ 答えになってない・・」
「あっ パパだ!」
「え?だってこの時間は・・」
「ほらー、パパだーっ」
「あなた・・」
「由美・・ 恵利子・・」
「何してるのよ、こんな所で・・ ぷよぷよしに行かないならちゃんと言ってよね、あなたの分のおかずは買ってないわよ」
「私のコロッケ半分あげるよー」
「すまん・・ もう、ぷよぷよは引退したんだ・・ だからもう仕事後や土日に出掛ける必要は・・」
「引退ですって!?もう聞き飽きたわよ、そんな言葉!家事もこの子のことも、全部私に押し付けて!!」
「パパー、“いんたい”ってお休みのこと?」
「ああ、そうだ」
「やったー!」
「それにこれからは、ちゃんと毎週休めるんだぞ」
「ええ、ほんとー?すっごーい!」
「だからこの公園にだって・・ いや、動物園にだって・・ 遊園地にだって・・・・」
「・・・・どうしたの?パパ・・ ママ・・ パパが泣いてる・・・・」
「しかし・・
しろま会長
っていつ寝てるんだ?」
「この前、対戦と対戦の合間に10分くらい熟睡して、その状態のまま20時間近く続けていたことがありましたよ」
「・・」
「いや、本当に・・」
「こっ、これが純正
ぷよぷよ通基板
!!」
「素晴らしい!この荒々しくも魅惑的凸凹感!」
「この原色をふんだんに用いたキッチュで飽きの来ないデザイン!まさに本物!!」
「ああ、初期回転設定が逆という唯一の瑕疵が完璧感を損ねていてそこがまた人間味をそそる!!」
「頬ずりだけでは飽き足らない!このまま食べてしまいたいくらいだ!!」
「・・・・人間って恐いな・・・・ ぷよ通基板の使い方間違ってるだろ・・」
「(・・だから面白いんじゃん・・)」
「・・・・わかってはいるんですけど、情けないことに未だに”本当にこれで良かったのか?”と時々考えてしまうんです」
「良かったに決まってるじゃないか。でなければ我々は、何のために退職したのかわからない」
「・・そうですけど・・ どうして伊出さんはそうはっきり言い切れるんすか?いや・・ すみません・・ 先月までの社会人生活と今の連鎖廃人生活を天秤にかけている僕が歪んでいるってことはわかってるんですが・・」
「いや、俺個人はお前が歪んでいるとは思ってないし、社会人を全うし続けることが正しいとはっきり言えもしない。俺が”これで良かった”と言い切っているのは・・ あの時、俺達が退職していなかったら俺たちは今、ぷよれていない。そういうことだ」
「・・・・それを言っちゃったら・・・・ そおっすね」
「僕はぷよぷよにハマッたことを不幸だと思ったことは一度もない。連鎖力を得た僕は最高に幸せだよ。そして最高の19連鎖を作る」
「ぷよぷよにハマッた横えびが幸せになろうが不幸になろうが、そんなことはどうでもいい。ただ・・ 普通は、連鎖の魔に魅入られた人間は不幸になるらしい」
「じゃあリュークは、普通じゃない方のパターンを見られるよ」
「ククッ、それはありがたい」
更新日時:2020/06/19 22:58
(作成日時:2020/06/19 21:43)
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