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あかじこう積みについて ~形・組み方(手順)・長所・短所~

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アイソスタシー
アイソスタシー
1.はじめに

 本記事では、あかじこうさんが独自に開発し使っていた土台「あかじこう積み」を記録に残す目的で紹介し、その形・組み方(序盤手順)、連鎖尾や折り返し、長所と短所を研究して掘り下げた結果を記事にしたいと思います。

 あかじこう積みとは、©SEGA開催のぷよぷよレディースカップ2連覇を果たすなど実力者だったぷよらーのあかじこうさんが、かつて独自に思いつき長年にわたり使っていたオリジナルの連鎖です。

 あかじこうさん本人は、あと一歩でプロ入りまで迫った2019年のぷよカップを最後に、ちぎりが多く柔軟性の低いあかじこう積みをやめて、それ以降はようかん師匠から習ってようかん土台を使うようになりさらに飛躍を遂げました。
 そのようにデメリットもありますが、後述するようにメリットも多々あり、後世に残す価値が十分にあるオリジナル連鎖だと思うため、本記事にて記録し、掘り下げていきたいと思います。


 本記事を作るにあたり、あかじこうさんの昔の動画アーカイブから形・手順などを研究し、自分でも実際に使ってみて、その結果をまとめる事にしました。


2.あかじこう積みの基本形

 あかじこう積みとは、逆L字とL字を組み合わせた土台に雪崩系の連鎖尾をもりもり入れていくのが特徴のU字構築後折り土台で、折り返しはGTRを基本にツモ次第で変形させたりなめくじ折り返し等色んな折り返しを用います。連鎖尾で雪崩をもりもり入れる「U字構築」で高火力を狙える連鎖です。

 図1の部分(逆L字L字の連鎖尾土台)があかじこう積みの基本形で、そこから図2のように組んでいき、そこに雪崩系連鎖尾をなるべく妥協なくもりもり入れていきます。当時のあかじこうさんはどんなツモでもこの形を目指して組んでいました。そして、理想形は例えば図3のような連鎖になります。

 ※視聴環境によって、図1aなどの図の名前がその図の左下にあるという構図がずれてしまう場合があります。図のナンバリングは左から順番にa,b,c...と付けているので、ずれている場合はその順番を数えて参照してみてください。(見辛くて大変恐縮ですm(_ _)m)
  → 
図1. 基本形      図2. 発展形(狙う基本形)

図3. 理想形(画像クリックでぷよシミュへ)
 

3-1.あかじこう積みの組み方(初手回りの置き方)

 あかじこうさんの過去の動画アーカイブから、各初手ツモをどのように置くのかをまとめました。
 上の図1の基本形~図2の発展形を目指して置き、特に「1段目の1,2列目と3.4列目をそれぞれ同じ色にすること(横2を2つ敷き詰める)を意識すると組みやすい」とあかじこうさん本人がおっしゃっていました。
 特に図2の連鎖尾側の形は出来るだけ妥協せずに目指し、雪崩や潜り込みなど連鎖尾がもりもり入るように組んでいきたいです。


 
【初手ABAC】

 ・23横置き(A左)→11縦置き(A↓)で、1,2列目にA色を敷きます。(A=赤B=黄C=青


      →目指す理想形 


 ・ただし、3手目がCCの時は、あかじこう積みを狙うと56にCCを敷くことになり、C色が分離してしまい全消しも逃してしまいます。そこで、3手目CCは12にちぎって左折り先折りGTRに行くのが良いかな?と考えています。初手・2手目の置き方が先折りGTRと全く同じため、このような使い分けが可能になります。
→3手目がCCの場合、先折りGTR狙いに。 


【初手AABB】

 ・12横置き→34横置きで、1,2列目にA色を、3,4列目をB色を敷きます。(A=赤B=黄

 →   →目指す理想形 

 
 ・ただし、3手目がAAの時は、2手目のBBを33縦置きし、AAで逆L字を完成させに行きます。



  →  →    →目指す理想形 


【初手ABAB】

   ・23横置き(B左)→23横置き(B左)で、図のように逆L字(B色)とL字(A色)の一部を作ります。A=赤B=黄
 
B左にするのは速度のためです。90°回転だけで設置できるため。)


  →  →目指す理想形 


 ・ただし、3手目がAAの時は、2手目のABを22縦置き(B下)で、全消しの目を残しつつAAでL字を完成させに行きます。


   →  →目指す理想形 



 ・また、3手目がBBの時は、2手目のABを33縦置き(A下)で、BBで逆L字を完成させに行きます。

 →  →  →目指す理想形 


【初手AAAB】

 ・12横置き→23横置き(A左のちぎり)で、1,2列目にA色で基本形の逆L字を作ります。(A=赤B=黄


→ →目指す理想形 

 ・ただし、ネクストACの時は、2手目のABを4,5列目に横置き(B左)で、ネクストのACを6縦A↓で折り返しを優先させに行きます。(3手目の時点で全消しの可能性には目をつむります。)この時、左折りのあかじこう積みにも行ける形です(リバシ)。このACもそのネクスト次第で置き場所は変わります。

 → → →目指す理想形  



【初手ABAA】

  ・23横置き(A左)→12横置き(ちぎり)で、1,2列目にA色で基本形の逆L字を作ります。


 →  →目指す理想形 

 
  ・ただし、3手目がACの場合、2手目のAAを56列目に横置きで折り返しの底を作り、3手目のACはL字の連鎖尾側に充てるか、4手目次第ではGTRなどの折り返しに着手します。(3手目の時点で全消しの可能性には目をつむります。)リバシ系になっているので左折りあかじこう積みにも行けます。

 →  →(4手目次第だが)→(目指す理想形)




【初手AABC】

    ●初手AAを12横置きで、1,2列目の逆L字の一部をA色で作ります。
A=青、B=赤C=黄D=緑
 ●2手目のBCは、ネクスト次第で置き方がころころ変わります。

 ・ネクストAB,BB,CDの時はBCを45(B左)横置きをし、3,4列目のL字をB色で、折り返しの底をC色で作りに行きます。
 ・ネクストAA,DD.ADの時もBCを45(B左)横置きをし(どちらを左でも同じなので速度重視のB左)、3,4列目のL字をB色で、折り返しの底をC色で作りに行きます。(AAは6縦で折り返し、DDは1縦で連鎖尾、ADは12D左、が候補)

 →  → 目指す理想形 


 ・ネクストAC,CC,BDの時はBCを45(C左)横置きをし、3,4列目のL字をC色で、折り返しの底をB色で作りに行きます。

 →  → 目指す理想形  


 ・ネクストBCの時は、BC66縦置き→BC55縦置きで、後折りGTRの部分を作るのが良い気がします。

 →  →  → 目指す理想形 




【初手ABCC】
A=赤B=黄C=青

  ・ABを45横置き(A左:速度重視の置き方)→CCを12横置きで、1,2列目の逆L字の一部をC色で作ります。

 →  → 目指す理想形 
                       (かなりツモに左右される)
 
  ・ただし、このツモは初手でABの配置を決めてしまうため、3手目以降のツモ次第ではかなり組み辛く愚形になりやすいです。

  →そのため、このツモに限り初手で下を離してネクネクを見てからABの置き方を決め↑のAABCと同じように持っていくという手もありだと思います。


  →あるいは、このツモではあかじこう積みを組まず、くま積み後折りや先折りGTRなど普段組み慣れた土台を組む、という手もありだと思います。

  
3-2.あかじこう積みの組み方(連鎖尾)

 連鎖尾は基本雪崩系をもりもり組んでいきます。理想は図4みたいな形ですが、ツモ次第では組めない事もあるので、図5や図6みたいに潜り込みを挟む形も織り交ぜる必要が出てきます。
 とにかく、連鎖尾を妥協なくしっかり入れ切る事があかじこう積みで火力を出すコツと言えます。連鎖尾の最後の方で同時消しになる分には全然気にしなくて大丈夫です。(火力は大して変わらず時短なので、同時消しは十分強いです。)

 
図4. 雪崩連鎖尾の理想形
(画像クリックでぷよシミュへ)
 

図5. 雪崩+潜り込み連鎖尾
(画像クリックでぷよシミュへ)

図6. 雪崩+潜り込み連鎖尾(やや高難易度)
(画像クリックでぷよシミュへ)


 端である6列目を優先的に置いていくのがコツかもしれません。実際に組んでみた経験として、特に序盤ツモが苦しい時、ツモを置く場所がなくて6列目に置いて後で連鎖尾として回収するのを目指すor中盤で使うというケースがそこそこでできます。




3-3.あかじこう積みの組み方(折り返し)

 あかじこう積みでは、連鎖尾側の形を固定しておくので、どうしても折り返しは後回しになりがちです。
 理想は図7のようにGTRを組む事ですが、それ以外に図8のように中2連結のGTRになる事も多く、図9のようにGTRを変形させたり、図10のなめくじ折り返し、図11のDT土台、図12のような鍵型など不定形気味の折り返しも選択肢に入ってきます。連鎖尾側を妥協しない代わりに、折り返し側は色々と選択肢を持って柔軟に組む必要があります。

 あかじこう積みは連鎖尾もりもりのU字構築なので、折り返し上はなるべく多重を入れて高くして空間を使い切りたいです。折り返し上を多重で高くすることでバランスマンションにもなり、組みやすくなります。

     
図7. GTR折り返し 図8. 中2個のGTR  図9. GTRの変形      図10. なめくじ折り返し 図11. DT土台        図12. 鍵型の折り返し



3-4.あかじこう積みの組み方(参考動画)
 

 あかじこう積みを研究するにあたって、あかじこうさんのYouTubeチャンネルの昔の頃の動画を主に参考にしました。YouTubeのLive動画一覧を投稿日時の古い順に並べた初めの頃の動画が、あかじこう積みのみを組んでいた時期なので参考になります。
 その中でも特に参考になった50先の動画のURLが以下になります↓(「ぷよぷよクロニクル50先」)

 https://www.youtube.com/live/eah4x58POwc?feature=share

 序盤の手順の他にも、組み方の優先度、ハチイチの置き方、中盤での使い方や全般的な戦い方など、色々と参考になると思います。あかじこうさんは、後折りなめくじ折り返しの手順が特に上手で美しいです。なめくじ折り返しの組み方を勉強にしたい方は、是非あかじこうさんの手順を参考にすると良いと思います!それだけおすすめです。

 

4.あかじこう積みのメリットとデメリット

 
 最後に、あかじこう積みのメリットとデメリットを列挙します。これに関しては、僕はまだ実践で使った機会が少ないため、十分な理解が出来ていないため、現状把握したものと、あかじこうさんが配信でおっしゃっていた事をまとめました。



【メリット】

[1] 火力が出やすい 

・定型連鎖で雪崩連鎖尾が沢山入れられるので、回収力も高く、高火力が出しやすいです。圧倒的U字構築なので、第二折り返しを組まずとも高火力が安定して出せるのが魅力です。


[2] 定型連鎖なので、初級者でも火力が出せる

・どんなツモでも同じ形を目指して組むので、そこまで難しい積みに慣れていなくてもとこぷよで13連鎖くらいまでなら初級者でも割と出せます。これは鍵積みや階段などに次ぐ火力の出しやすさではないかと思うくらい、この点に置いては中々に他の追随を許さない凄い連鎖だと思います。

 
ただし、ネクストを見て適切な置き方をすることが他の連鎖以上に求められるので(階段や鍵も同じですが)、初心者のうちは、単発消しなど整地をしながら組むと良いと思います


[3] フィーバールールでより活躍する土台

・あかじこうさんがフィーバールールで遊ぶ際は、ようかん土台よりもあかじこう積みを選んでいました。その理由して、フィーバールールでは本線火力が何より大事なので、安定して高火力の出せるあかじこう積みは、フィーバールールでよりその真価を発揮していました。
 ただ、キャラによって組める組めないがあり、あかじこうさんはアリィを使ってあかじこう積みで戦っていました。あかじこうさんはシグがお気に入りキャラですが、シグだとあかじこう積みは組みにくいとのことでした。


[4] 全消しをやや逃しにくい

・序盤の色の分離が先折りGTRよりは少ないため、全消しをやや逃しにくいです(先折りGTRと比較して)。例えば先折りGTRが1連鎖2回で取らなきゃいけないAABBBBAAの全消しも2連鎖で取れます。ただ、あかじこう積みも形がかなり決まっている定型連鎖のため、ツモ次第では色の分離が生じるため、全消しを取るのに特化した土台ではないです。



【デメリット】

[1] ちぎりが多い

・どんなツモでも同じ形を目指すので、どうしてもちぎりが多くなります。上の初手回りの置き方でも、2手目からちぎる置き方も存在し、3手目も続けてちぎる場合があるなど、序盤の速度でそこそこの不利を被ります


[2] GTRの折り返しの上に座布団を敷けない配色になるなど、多重を良型で組むのがやや難しい?

・あかじこう積みでは、連鎖尾の雪崩部分の色を早めに確定する事が多いため、3列目3段目の色が早めに確定します。つまり、多重の肝である4列目3段目の色をあまり自由に選べないというデメリットがあります。そのため、座布団を敷けない等、良型の多重折りを使っていく事が難しい場面が増えると思われます。

 折り返しへの着手が遅くなりがちである事も、折り返し側を良型で組むのが難しくなりがちです。例えばGTRの中が2連結になる事も多々あり、GTRの中が3連結L字が多重を組むうえで良型の肝なので、折り返し側で妥協しなきゃいけないケースは多いです。


[3] 柔軟性がやや低い(ツモの偏りがきつい)

・定型連鎖のため、ツモや相手の動きに合わせた柔軟性がやや低いかもです。ツモが偏った時に中々連鎖が完成しないで苦しむ事もあります。

 ただ、連鎖尾側で対応が出来たり、連鎖尾がしっかり入っているため本線即合わせでも相手は意外と伸ばさないといけなかったりするので、”使いこめば”十分色々な相手に対応できると思います。あかじこうさんが実際に上級者相手に長年この積み一本で戦っていましたが、相当の練度であかじこう積みを極めていた事が良く分かります。



[4] 連鎖尾側の暴発管理が大事

・連鎖尾をもりもり入れるので、連鎖尾が入らなくなる暴発をすると大幅に火力が減ってしまいます。なので連鎖尾が入らなくなる暴発(雪崩部分の一部が折り返し上部と干渉して消えてしまう暴発など)には気を付ける必要があります。


新しい記事、「あかじこう積みの組み方実戦編」を3つ書きました!(2023/7/31、2023/8/4、2023/8/12)

「あかじこう積みの組み方 実戦編1 ~連鎖尾側の妥協形の組み方~」(←太字部分をクリックでリンク先へ)
・ツモが悪く連鎖尾側の理想形が組めなかった時の妥協形の組み方について、図を沢山用いて詳しく記事にまとめました
・本記事だけではツモが悪い時にあかじこう積みが組めないという方へ、是非見て参考にしてみてください!


「あかじこう積みの組み方 実戦編2 ~折り返しの妥協形の組み方」(←太字部分をクリックでリンク先へ)
・ツモが悪く折り返しでGTRが組めなかった時の妥協形の組み方について、多種の折り返しを図を用いて詳しく記事にまとめました。
・後折りの折り返しの組み方全般に役立つ記事だと思うので、後折りを始めたい方、後折りの折り返しが上手く組めない方も是非ご覧ください!


「あかじこう積みの組み方 実戦編3 ~雪崩の上の組み方のコツ・真ん中のL字の妥協形・左折りへの移行(リバシ)~(←太字部分をクリックでリンク先へ)
・雪崩の上を逆階段型でもりもりと組む強さ、真ん中のL字が組めないツモの時2-2階段に妥協する形、左折りへの移行(リバシ)、についてまとめた記事です。
・これであかじこう積みの記事の集大成となりますので、是非ご覧ください!




5.おわりに

 以上、あかじこう積みについて、その形・組み方・手順、メリット・デメリットについて記事にしてみました。まだ、自分で使い込んだ試合数は少ないので、手順・メリット・デメリットについては今後変わってくる点もあるかと思います。(今後研究していく内にその都度記事を更新したいと思っています。)
 皆様もコメントで色々とご指摘・ご指南頂けると幸いです。

 「あかじこう積み」は、これまで検索してもツイートくらいしか出て来ませんでした。あかじこうさんが独自に思いつき10年以上にわたり極めたオリジナルな連鎖を後世に残したいという強い想いがあり、この記事に残すことにしました。

 あかじこうさんのアーカイブを見て研究をするうちに、あかじこうさんの手順が相当に熟練され極め抜いた者の美しい手順で組んでいる事に気づきました。自分で組んでみて、ツモ捌きの難しさを痛感しました。あかじこうさんが本当にぷよぷよが大好きだったんだという事をより実感する事が出来ました。

 そして、安定して高火力が出せ、連鎖尾がどんどん消えていく様はとても気持ち良いです。手順を見習いながら研究していくのがとても楽しかったです!この記事を見て興味を持った方は、是非あかじこう積みに挑戦してみてください!

 最後まで読んでいただき、どうもありがとうございます。
 
 そして、あかじこうさん、こんな素敵な連鎖を発明して極めてくれた事、ほんとうにありがとうございます。



謝辞
・「石川をぷよぷよで染める会」によるぷよシミュレーター-エディターを使用させて頂きました。
ここにて感謝を記したいと思います。

 
更新日時:2023/08/13 11:04
(作成日時:2023/07/25 12:27)
カテゴリ
連鎖
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