最近一部界隈で白熱しているらしい、才能がなくてもできるかどうかみたいな議論について、少し思うところがあったので、自分語りも交えながら書くことにしました。推敲とか全くせず、鉄は熱いうちに打てで勢いだけで書いたので、だいぶまずい文章になってると思いますが、ご容赦ください🙏
簡単な自己紹介
私はしゃにです。また、syanikamabocoでもあります。ぷよ歴は6年ちょいくらいで、現在はsteamのぷよスポで活動しています。そして、
理論上最強の土台"しゃにタワー"の研究者でもあります。
しゃにタワーについて詳しく知りたいという方は、
こちらからどうぞ。
挫折、そして"しゃにタワー"との出会い
ぷよ歴6年のうち、前半の3年ちょいくらいはSwitchのぷよスポにて、別名義で活動していました。その頃は私も先折りGTRをメインで使っていて、上振れでレート3000(当時は今よりもずっとハードルが低かったと思います。多分。配信とか見てると今の2800台レベル高すぎて怖い)に1回だけタッチできたくらいの実力だったと思います。ただ、そこからなかなか上達できずにいて、勝手に実力の近いライバルだと思っていたぷよらー達との差もどんどん開いていき、自分のセンスの無さに枕を濡らす日々が続きました。そしてついに、私はSwitchを
破壊売ってしまいました。
それから1年後、身の回りのことが色々落ち着いたのもあって、「syanikamaboco」名義でsteamでぷよぷよに復帰しました。名前を変えたのは、まあ要するに恥ずかしかったからです。色々と。私はそういう小さい人間です。
復帰してから第一に感じたのは、やっぱぷよぷよっておもしれえええええええ!!……ってことです。しかし同時に、何か虚しさのようなものも感じていました。ただただ惰性でGTRを使い続け、たまに思い出したみたいに既存の逆張り土台を組んでみたりする……それはそれで楽しいけれど、結局上達できないのに変わりはなかったし、悔しさがない分刺激もなくなってしまったような……そんな日々でした。
そしてある日、私は"しゃにタワー"に出会いました。
苦手なことの中に、できることと、できないことを見つける
しゃにタワーは、ぷよシミュを弄っている最中に生まれた形でした。誕生に至るまでの経緯はあまり覚えていないのですが、何らかのきっかけから、
この形実は端じゃなくて真ん中から行った方が強いんじゃね?ってなって、
それから、これで2ダブできるのめっちゃええやん……(キュウ清水)になったって感じだったと思います。
ただ、これを考えついた時点では、「こういう選択肢もあるんだな」くらいにしか思っておらず、私もよくやる、
使う気もない奇形をツイッターに載せていいねを稼いで満足するだけのアレで終わっていた可能性もあった気がしています。
実際にこの形をパターン化しようという考えに至ったのは、あることに気づいてからでした。
(あれ?もしかして自分、連鎖尾使った中盤なら結構得意かもしれない————)
当時の私の大きな課題として、中盤が思うようにいかない、というものがありました。アドリブ力や思考速度みたいな所で劣っているため(主観でそう言ってるのではなく、検査結果に基づいています)、いつ飛んでくるのかもわからない相手の攻撃に対して、素早く適切な対応手を作り出す、なんて無理だと感じていましたし、迷わずガンガン攻めまくるなんてもっと無理だと思ってました。
ただ、ひとつだけ、当時GTRをメインに使っていた私が、ルーティーンワークのように用意できていた対応手がありました。それがこちらです↓
そう、連鎖尾対応。連鎖尾って折り返しよりもずっと静的だから、アドリブ力があんまり求められなくて、私でも対応手を作りやすかったんです。ただここで問題になってくるのが、連鎖尾対応を成功させた後のこと。
上の画像の例だと残しはそこまで悪くならないですが、実戦だと大抵苦しい残しになって、結果的にアドリブ力の勝負になって負ける、ということは少なくありませんでした。
ここで一度、見出しにつけた「
苦手なことの中に、できることと、できないことを見つける」に当てはめて考えてみましょう。
苦手なこと……中盤
できること……連鎖尾中盤
できないこと……折り返し中盤
私の例でいえば、上のように整理することができると思います。
で、それからどうすればいいかというと……
まず、できないこと。これは一回、スパッと諦めてしまいましょう。
そんなことでいいの?と思うかもしれません。でも、良いんです。だってできないんだからしょうがないじゃないですか。人間、能力的にできないことって、どうしたって出てきちゃうものです。なので一回、諦める……は言い過ぎにしても、後回しにしちゃって良いと思います。
そして、できること。これは擦りましょう。伸ばす、ももちろん大事なのですが、それよりもまず擦るんです。
擦っていれば大抵は勝手に伸びていくし、できることをする割合を増やして、できないことをする割合を減らすだけで……あら不思議!何の努力もせずに、苦手なことが人並みにできるようになっちゃいました!
……なんてのはもちろん理想論に過ぎないのですが、でも、ひたすら苦手を潰す練習をしろなんて言われるよりは、ちょっとできそうな気がしてきませんか?
ここで一旦、想定問答を挟んでおきましょう。
Q.「できること」が何もないんだけど、その場合どうすればいいの?
A.ここでいう「できること」「できないこと」は、他人と比較したときの話ではなく、自分の能力を細分化していったときの優劣の話になります。ですので「できること」が何もない、というのは原則あり得ないのです。能力に全く偏りのない人間など、まずいないですから。もちろん、伸び幅は人によって違ってくると思います。一つの気づきだけでひょいっと壁を越えちゃう人もいれば、そうでない人もいるでしょう。でも、一歩も進めないなんてことは絶対ないので、「やり得」なんです。
↑このツリーでも、同じ考え方を用いています。できること:連鎖中の凝視 できないこと:組みながらの凝視 ということですね。実際、連鎖中の凝視だけを強く意識したら、前より相手の盤面把握ができるようになった気がします。
以上の考えから、私はまず、連鎖尾中盤をしやすそうな土台を探し始めました。GTRは、先ほど述べた残しの悪さもあって、連鎖尾中盤が擦りにくいと考えたため、より擦るのに適切な環境を探し求めたわけです。
そうして間もなく私は、「あの形」と再会することになります。
私の見立て通り、しゃにタワーは本当に、連鎖尾中盤がしやすい土台でした。正直他に色々欠陥はあるのですが、連鎖尾中盤性能だけで見れば、ネタ抜きでtier1もあるんじゃないかと思っています。しかも、ただしやすいというだけではなく、連鎖尾中盤から使った後の修復まで、
全部パターン化できてしまうんです。これがスペックのあまり高くない人間からすると本当にありがたいです。
「最強土台・しゃにタワー関連用語集」(
https://puyo-camp.jp/posts/178863)にも載せていますが、しゃにタワーの連鎖尾中盤を支える、3つの柱を以下に紹介します。
・二段構え(連携攻撃のパターン化)
「しゃにタワー」は、連携攻撃において真価を発揮します。速い2ダブを刺してから、折り返し側に残った4〜5連を即撃ってのフィニッシュであったり、折り返し側での短い攻撃や対応で2段以上降らせてから、追い撃ちで連鎖尾の2ダブを使ったりといった連携攻撃に再現性を持たせることができます。
・3ダブ↑組み替え
連鎖尾側のキーを折り返しで再利用する方法です。膨らませた折り返しから連鎖尾に接続する対応を、しゃにタワー協会では「マダンテ対応」と呼んでいます。使いすぎにならないケースを誰か教えてください。
・将棋崩し対応
画像のように、しゃにタワーを上から崩して4〜5連を作り出す対応です。2ダブの発火点を埋めた後でも使えるのでめちゃくちゃ便利です。構えるだけ構えといて上部で頭を単発なり2連なりで消化するのも有効。あと地味に凝視されにくい気がする。
"しゃにタワー"を1年以上使い続けた結果
2024年12月現在。
相対的な強さがどのくらい変わったのかはあまり分かってませんが、少なくとも2年前の自分をダブルスコアにできるくらいには成長できたと思っています。中盤の苦手意識もすっかり無くなって、私よりもだいぶ強い対戦相手の方から「中盤で勝てる気がしない」と言われたこともありました。
でもその実態は、何の深みもコクもない、あらかじめいくつかの行動パターンを用意して、それらでひたすらローテ回してるだけの作業ぷよです。本質的な上手さ、地力みたいなところは、ほとんど何も変わっていないはずです。この辺はやっぱり、ちゃんと地道な努力をしていかないと身につかないんだろうなぁと最近感じています。
けれど、
「上手くなりたい」ではなく「勝てるようになりたい」なら、苦しい努力は必ずしも必要ではないのです。これは、私がひっそりと趣味で行っている、イラスト制作やエロ小説の執筆でも同じです。上手くなりたいならともかく、評価されるようになりたいとか、自分の満足のいくものに仕上げたいというだけなら、地道な努力以外にも色んな方法があるということを、私は最近になって知りました。
ぷよぷよの戦術に関する知識、独自の戦術を追究していく面白さ、そして、ゲーム外にも活かせる大事なことまで、しゃにタワーは本当に、色々なことを教えてくれたと思います。
極論:別に強くなる必要はない。楽しめる方法を探す
最後に私が伝えたいことは、これです。
ぷよぷよで壁にぶち当たって病んじゃう人って、強くなれなきゃやる意味がない、みたいな思考に囚われているのではないでしょうか?
そんなことは全くないです。楽しめればそれで良いんです。だって所詮、ゲームなんだから。
皆さんの言いたいことは分かります。いや、勝てなきゃ楽しくないだろ、と。
でも私に言わせれば、ネット対戦なんて数あるゲームの楽しみ方の一つに過ぎません。
しゃにタワーの研究も、適性がどうみたいな話を上でしてましたが、真剣なぷよから離れて、1人で好き勝手に楽しいことがしたかったみたいなところも大きかった気がしています。でも、こういう孤独な研究は、確かに楽しいのですが、人によってはハードルが高いと感じてしまうかもしれません。
それよりも私がおすすめしたいのは、100万TAです。(浅いレベルであれば)先天的な判断速度よりも、知識に基づく安定感が求められる世界ですし、何よりレートみたいな相対指標ではなく、タイムという絶対指標で自分の成長を実感しやすいのがいいです。他人と比べて病んでしまうみたいなことは、少なくとも対戦よりは無くなるかなと思います。
その他にも、シミュレーターで色んな連鎖を作ってみたり、過去作の1人用モードで遊んでみたり、楽しみ方なんていくらでもあるはずです。
それでも煽ってくる人間はいるかもしれません。そういうカスは即刻スパブロし
然るべき場所に晒しあげて以後関わらないようにしましょう。
体裁やプライドよりも自分のメンタルの方が大事です。
言いたかったのは、そんなところでしょうか。オチは特にないです。
じゃ、記事できたんで、帰りまーす!(トムブラウン)