理屈で考えてみよう!
例えばこれ、左折りのGTRを組みたいとします。ここでほぼ置く色が確定しているのはGTRの外側の部分になる赤ぷよですね。
ではこの赤ぷよのうち、三列目の赤ぷよを実際に置いてみましょう。どんなツモなら置けると思いますか?
例えば、青を挟み込みで伸ばしていくなら赤青のツモが置けます。
図1
図2
これを伸ばすと
図3
良く知られている形だとこういうような連鎖尾になりますね。
あるいは、青の回収は後回しにして横三などを作りに行くこともできます。
図4
図5
図6
そして、連鎖尾ではなく折り返しを作りに行くこともできます。
図7
図8
真ん中の赤を置くことができるツモは現時点では色々ありますね。
ではここで、一つ制限を加えてみます。
【ちぎり禁止】
……はい。あなたはもうちぎれません。
ではつづけていきましょう。まずは図7から見てみます。
この時点では、赤の次の連鎖が何になるかはまだ分かっていません。図3や図6、あるいはほかの連鎖が作れます。
しかしGTRの中身の色は緑で確定しました。ここからちぎらずに2個組のツモでGTRを完成させる、つまり緑を二つと赤を一つ置くためには緑ゾロが必要、つまりこれはハチイチ待ち以上の低い確率を頼らなければいけないジュウロクイチ待ちです。
もちろんちぎればどうということはありません。
……ハチイチ待ちを説明しようとしたのにジュウロクイチ待ちになってしまった。まあいいか。
何故ジュウロクイチ待ちになるのか。それは【横】と【上】あるいは【下】が空いていないからです。
……?
図7を使って説明しましょう。
【下】はちょっと説明を後回しにして、【横】と【上】からいきます。
まず、【横】というのはここです、ピンクで囲った部分。
このピンクの部分にぷよを置くことができるなら、ツモを横置きすることが出来ます。
つまり、緑と何かの組み合わせのツモを使ってGTRが作れるというわけです。
つまりこんな感じで右にずらせば、横置きできるスペースが作れるのでハチイチ待ちでは無くなります。
つづいて【上】の説明もしてしまいましょう。
【上】というのはここです。三段一列目。
この時点で何も置いていないから空いているようにみえますが、ここは既に緑が置かれる予定になっています。つまり、緑と緑の組み合わせしか縦置きすることができません。これが同じ色の組み合わせでなく他の色との組み合わせであれば、ジュウロクイチ待ちではなくハチイチ待ちになるわけですね。
ピンクの場所に置く色が決まっていないのであれば、ツモを縦置きすることが出来ます。
つまり、緑と何かの組み合わせのツモを使ってGTRが作れるというわけです。
つまりこんな感じで右にずらせば、縦置きできるスペースが作れるのでハチイチ待ちでは無くなります。
このように赤を右にずらした形として、新GTRや不機嫌GTRなどが定型として考案されています。
ハチイチ待ちの原因が分かったところで図2を見てみましょう。
この画像では連鎖尾のハチイチ待ちを考えてみます。
ここから12列目を使わず素直に連鎖尾へ連鎖を伸ばすとして、定型として知られる横Y字の連鎖を青で作ってみます。
この時点で連鎖尾へ他に置きたい色は何もないです。なので新しく置いた青は【横】と【上】のどちらかは空いています。
つまりこの青二つはゾロ以外なら、青とどんな組み合わせのツモでも置くことができますね。
ではもう少し連鎖尾を入れて、【横】と【上】が空いているところを減らしてみましょう。黄色から連鎖尾を伸ばしてみましょう。
この時点で図2から増えたぷよのうち、【上】と【横】が埋まっているぷよは、一段五列目の黄色だけです。
つまり、一段5列目の黄色を置くためのツモが、ハチイチあるいはジュウロクイチでなければいけない状態であるという事です。
それを回避するためには、6列目の黄色を削除すればいいです。
これで連鎖尾のハチイチ待ちは解消することができました。では実際に、ハチイチを使わずにここまで連鎖を作ってみましょう。
http://www.puyop.com/s/_0mdqas8S2AbG3I
狙った形が作れましたね!
最後の黄緑はどこにおけばいいか考えてみましょう。また、最後が黄緑ではなく黄青だったり、あるいは黄赤だった場合にどう置くべきかも考えてみましょう。
ハチイチ待ちを回避しつつ実際に組むことが出来ました。では、そもそもハチイチ待ちにならない形になりやすい形がどういう形なのか、考えてみましょう(日本語がややこしいですね)。
まず折り返しから考えます。折り返しは、先折りにすることで【上】を空けやすくすることができます。
例えば先折りGTR狙いの初手では、ABAB AABB などが折り返しの【上】を空けつつ作成できるツモです。
三段目は既に置く色が決まっていますから、その上の部分、つまりピンクで囲った部分が【上】ですね。ここに置く色は決まっていませんから、ハチイチ待ちを回避して折り返しを作成できます。
また、この形は【横】も空いていますから、ほとんど制約を受けずにGTRを完成させることができる非常に優秀な形です。
先折りでない(つまり後折りの)場合は、ABABのようなシナジーのある二手を組み合わせて折り返しを作成することが出来ないこともあります。
その場合は発火点を一段目にすることで【上】を空けることが出来ます。いわゆるサブマリンと呼ばれるものです。
これなら折り返しでハチイチ待ちをせずに組めます。
連鎖尾でも考えてみましょう。
後折りであれば、ツモ次第で雪崩やデアリスを狙えるこの形は【下】が空いているのでハチイチ待ち回避のために積極的に狙いたい形です。
【下】は潜り込み連鎖尾で主に意識するところです。横向きの連鎖であれば【横】や【上】に気を付けていればいいので、あまり意識しない場所ですね。
先折りでも、この【下】が連鎖尾には存在することを意識しておくと良いです。例えば、サブマリンからの連鎖尾は鶴亀連鎖でも繋ぐことができますが、それも【下】があることが分かっていれば広く選択肢を持つことが出来ます。
赤から緑へ連鎖尾をつなぎたくなるところですが、ピンクの部分は潜り込みにして青から繋ぐことが出来ます。ですから、青が先に来ればこの画像のように、緑が先に来れば、
先ほどのこの画像のように、と色んな選択肢を持つことが出来ます。
おまけ?
ハチイチを待つのは良くないように思えるかもしれませんが、ハチイチは来ます。来るなと願っても来るときは来ます。そういう時にハチイチをどう置くべきかも考えましょう。
これは以前私が作った記事から持ってきた画像です。赤黄のハチイチ待ちの状態から赤黄を引けたら、それをどう置くか?というものです。
横置きすることで【横】と【上】が空きます。
3列目に縦置きした場合、4列目が青の雪崩を狙う場合に黄青のハチイチ待ちになります。
潜り込みにすれば【下】が空くからハチイチ待ちではなくなるように思えますが、実際はそのあとでハチイチが無いと非常につらくなります。
もう少し掘り下げてみましょう。ハチイチを横置きする、あるいは縦置きするというのはどういう意味を持つのか?ということです。
連鎖には高さが存在します。
例えば階段や鍵は4段を必要とします。上の画像のようなGTRは三段です。
これらは横向きの連鎖です。つまりここから更に高くなるという事はない、という事です。
という事は空けるべき【上】の場所が最初から確定しています。
さっきの画像です。ピンクの部分が空けるべき部分です。これなら黄と何かを3列目へ、青と何かを4列目へ縦置きすることが出来ます。
このGTRから連鎖尾へのジョイント部分は三段の高さを必要としますが、その一番上の三段目のみがまだ置かれていない状態がこの画像です。
つまり、狙っている形の一番下の段あるいは真ん中の段をハチイチを使って埋めることで、一番上の段を構成するぷよが置かれていない状態にするのがハチイチ待ちを更に減らすためには有効です。
連鎖尾は拡張性を重要視するため、上に伸ばし続けられるものが良いとされています。つまり、雪崩で4段の連鎖尾を作っても、そこから高くなる可能性がまだあるという事です。
なので【上】に関してはほぼハチイチ待ちは回避できないものと思った方が良いです。代わりに土台部分で【横】や【下】が空けられるようなハチイチの使い方を考えましょう。
この連鎖尾はほぼすべてのツモを6列目に置くことが出来る、つまり色んなハチイチを6列目に発生させます。赤の次に消す色を自由に決めることが出来るからです。
以上おまけでした。ハチイチと上手く付き合って、より良いぷよぷよライフをお過ごしください。
それと、
内容が良いと思って頂けたならツイッターなどでシェアしていただけると私が嬉しいです。よろしくお願いします。
追記:ぷよ譜のURLを修正しました。