ぷよが競技として盛り上がる為にはどんなアプローチがあるかなと考えていたところ、チーム戦なんてのもいいんじゃないかと考えついたので、その辺り私が考えたことを記事にまとめてみたいと思います。
過去の私の記事をご覧になったことがある方は分かると思うのですが、あまりサクっと読めるようなものになっていない点はご留意下さい。
■何故チーム戦がいいのか
みなさんが思う個人で行うスポーツ競技を思い浮かべてみて下さい。
何がありますかね、卓球とかテニスとか剣道とかフィギュアスケートとか陸上水泳各種が思い浮かぶでしょうか。
それでは次に団体やチームで行われるスポーツを思い浮かべてみて下さい。
野球サッカーバレーバスケラグビーetc.
球技ばっか思い浮かんでしまいましたが、私は個人競技よりチーム競技の方がスラスラ出てきました。
こう並べてみた時に、
国内で盛り上がっているスポーツは『団体競技(球技だからという訳でもなさそう)』ばっかじゃね?と私が思ったので、ぷよにも団体戦をお勧めしてみたい訳です。
では何故日本ではチーム戦の方が盛り上がっているのか、スポーツを盛り上げる
観戦者の視点から理由を少し考えてみます。
■チーム戦のメリット
○考えてみると色々メリットが出てくるかと思いますが、一番は『活躍を目の当たりに出来る選手が増えること』な気がします。
1対1の個人戦だと、その試合に興味を寄せる人は対戦選手二人のファンがメインになることでしょう。
注目の選手なら多くのファンが関心を寄せてくれることでしょうけれども、
あまり注目されていない選手の試合は結構悲惨なことになりがちな気もします。
ところが、チーム戦になるとどうでしょう。
もうお分かりだと思いますが、チーム戦には多くの選手が出場しているので
『いずれかの選手のファン』であることが関心を寄せる条件になります。
となるとバカみたいに単純に考えれば、選手の人数分だけ試合に注目するファンが増えることになるので、
試合の注目度は個人戦より平均値も最大値も上がる、という考え方です。
そうなると例えば
『知り合いにマイナースポーツの選手がいてその競技のことは全然知らないんだけど、今度その選手を応援しに行く』みたいな人も観戦者に取り込むことが出来ますし、その人が観戦した結果そのスポーツの楽しさが分かったみたいなことも起こりやすくなるはずです。
他にも、
チーム戦だと別に特別好きという訳でもない選手のプレーも絶対に見ることになるので、興味のなかった選手の良いプレーを見る機会が増えます。
そうなると『チームの敗退の危機を救ったあの選手すげえええええ!!!!』みたいなのも必ず生まれるでしょうし、
今日の試合で新たにその選手のファンになったみたいなこともおきやすくなるはずです。
観戦者目線こういった個人戦にはないことがチーム戦で起こり得るため、エンターテイメントとしてチーム戦の方が盛り上がっていきやすいのかもしれません。
○また、チーム戦は選手同士の関係性も注目出来るポイントだと思います。
良いプレーをしたら他の選手が褒めます、盛り上がります。
チームが盛り上がると
見ている方も分かりやすく盛り上がることができます。
失敗したら慰めます、他の選手が失敗を取り返すスーパープレーをしたら失敗した選手が感謝します、チームが盛り上がります。
個人だけでは起こりえないこういったドラマが見られるというのも、チーム戦の大きなポイントだと私は考えます。
プレーの合間に見られる選手同士の関係性、取り分け同じ目的を掲げて
努力、友情、勝利する姿は
美しいですし、見ている方も大満足なスポーツの醍醐味と言えることでしょう。
○さらに、競技に取り組む選手の姿勢に影響が出てくるかもしれません。
割と『自分で自爆する分にはどうでもいいけど、チームに迷惑をかけられないからマジで頑張らないといけない』みたいに考えるタイプの人間もいることだと思います。
そういう人なんかは個人戦では出し切れない力を発揮することが出来るかもしれません。
こういった点もチーム戦にしかない競技が盛り上がる要因だと思います。
○あと、個人的な所感ですが、個人よりチームの方がファンになりやすい気がします。
○○選手のファンというのは私にとっては重い感じがするんです、その人を全肯定しないとダメみたいな感じがしてしまうので。
私は割と普段の姿とスポーツしてる姿を切り分け出来ないタイプの人間なので、例えばファンになったA選手をしばらく応援していたが、興味を持って色々調べていくうちに
『SNSでイキリ散らしていた』とか『ファン対応最悪だった』みたいな噂を聞いたら素直に応援出来なくなってしまいます;;
これが個人競技の選手だとこの人はもういいやってなって、他に注目している選手がいなければその競技自体見るのをやめてしまいそうです。
しかしこの選手がチーム所属の選手だと、この選手はもういいけどチームは頑張って欲しいみたいに、ファンとして残り続けることも出来そうなんです。
そうしてチームを応援し続けているうちにその人の弁明やチームメートのフォロー、他のもっと良いところも見られて、前より好きになったみたいなことも起こり得ます。
別にSNSでやらかさなくても、個人戦だと個人がダメなら応援している方も気落ちしてしまいますが、チームのファンであれば個人がダメでもチームが良ければ楽しめますし、チームがダメでも個人が良ければ気落ちしにくいみたいに
受け皿が広いので、チームファンの方が楽なんです。
そういった点も、ファン目線から見たチーム競技のメリットと言えることでしょう。
といったように、
スポーツとして盛り上がれるのはチーム戦の方が条件が揃っている――というのが、私の見解です。
もちろん個人戦にもメリットはありますし、
個人戦やめて全部チーム戦でやってくれという意見ではないのですが、チーム戦もやってみたらもっとぷよぷよも盛り上がれるんじゃないだろうかと思いました。
ということなので、もし私が『ぷよぷよを盛り上げる為に大会を企画してくれ』と公式に頼まれた場合どんな大会を開くのか、上記のメリットを意識しながらぷよに当てはめて考えたアイデアを書いていきたいと思います。
そもそもぷよぷよが個人競技なので、結構無理矢理な感じにはなってしまいますが、そこはご愛敬下さい。
■大会を開くならこんな大会がいいと思う
【大会のポイント】
・チーム戦であること
・セコンド制を採用すること
【概要】
1チーム3~4人のチーム戦。(4人の場合は補欠が1名、試合によって出場しない選手が出てくる)
チームの決め方は任意。友達同士、所属クラブ、サークル、何でもOK。ただし、チームの掛け持ちはNG。
本戦は計8チームによるトーナメント方式。
(もしくは、国体みたいに関東地区代表みたいな1チーム4人の代表チームを8つ作るのでもいいと思います。代表チームを決める個人戦とかも盛り上がれそうですし、先述した任意方式にも代表チーム方式にも互いにメリットデメリットあると思います)
試合は先鋒、中堅、大将の3試合に分かれて順番に行っていく。
先鋒戦は6先、中堅戦は8先、大将戦に限り『原則10先のサドンデス方式』。
勝負の決め方は3戦のうち2勝した方が勝利
ではなく、
チーム全体の勝利本数が多い方が勝ち。
大将戦の原則10先のサドンデス方式って何?ってなっていることかと思いますが、これはコールドゲームの為のものです。
例えば先鋒戦で6-4で勝ち、中堅戦でも8-5で勝った場合、中堅戦までの合計スコアは14-9です。
この時大将戦で相手が先に10本取ったとしても19勝にしかならないので、大将戦でこちらが5勝した時点で負けはなくなり、自動的に勝利となります。
逆に先鋒戦で3-6、中堅戦で2-8と大負けしたとしても、大将戦で10-0と完封すれば合計15-14となって勝利できます。
つまり、
大将戦(そのマッチ)での勝利条件は、
・勝っている側は『10-中堅戦までの本数差』の本数を取った時点で勝利
・負けている側は相手に『10-中堅戦までの本数差』を取られる前に10勝する
という感じで変動することになります。
このルールに沿えば、中堅戦を終えて10本以上の差がついていた場合は
大将戦を前にしてコールドゲームが成立します。
大将戦に入る前は視聴者も含めて一度勝利条件を整理するといいでしょう。
また、試合は
対戦プレーヤーの横に一人セコンドプレイヤーをおくことが出来ます。
セコンドプレイヤーは試合中いくらでも口を挟むことが出来ますが、コントローラーを触ったり画面を隠したりなど、試合への物理的な干渉は当然出来ません。
出すセコンドプレイヤーは毎回任意に決められるし、同じ人が何度やっても構いませんが、4人チームの場合は対戦もセコンドもしない人がでないようにしなければなりません。(とかの方が見てる方も楽しめそう)
1マッチにかかる時間は、おおよそ25先より短いので30分~1時間の間に収まるでしょうか。
8チームによるトーナメントなので、全9マッチ、視聴者が全部視聴するとなると最大9時間程度となって少々辛いかもです。
2日に渡って開催するとなると1日目は1回戦のみ4マッチ4時間、2日目は準決勝から5マッチ5時間と、めっちゃ楽しめそうです。
1回戦は予選扱いにして同時進行にすれば6マッチ6時間分で終わるので、1日で終えることもできそうです。
●セコンド制の意図
隣で相手の連鎖をカンニングして口出し出来るセコンド制は特に賛否が出ることでしょうけれども、これはぷよでは難しい
チーム戦の色を前に出す為のものです。
こうすることで連鎖は得意だけど凝視が苦手みたいな人も活躍出来ますし、普段のチーム練習でどこを見るかとかどのタイミングで言うかとか、そういった
連係プレーを磨いた方が有利に戦えますし、勝った時の「お前がいたから勝てた感」のような友情要素も見いだせるようになるでしょう。
個人戦が3試合あるだけのチーム戦ではあまりチームプレーを発揮出来ないですからね。
だったら4人でぷよぷよとかで良くね?と思うかもしれませんが、あれは別競技という私の認識です。
4人でぷよぷよみたいなチーム戦も戦略を突き詰めていくとチーム競技として面白そうだとは思うのですが、観戦者のことを考えると見所が難しいのでeスポーツには不向きなのかなって少し思います。
っていうか
セコンドいたら本来のぷよの実力勝負じゃないみたいな感じはすると思うのですが、個人の実力勝負は個人で出場する大会ですればいいので、そこは考えなくていいと思います。
(なのでチーム戦を始めたとしても、個人戦の大会は基本軸として有り続けた方がいいと私は思っています)
このチーム戦は個人の実力勝負をすることが目的ではなく、
如何にチームワーク良くして持ってる力以上のものを出せるかっていう戦いなので、
普通のぷよ勝負とは別ベクトルの勝負と捉えた方が腑に落ちると思います。
●勝利条件が素直じゃない理由
先鋒中堅大将のうち先に2勝した方の勝ちでいいじゃんみたいに思うかもしれませんが、あえてこうややこしい感じにした
理由は大してありません。
そっちの方が楽しそうだからと、私が思ったからです。
視聴者目線ルールは単純な方が楽しめるとは思うのですが、基本個人競技のぷよでチーム戦感を無理矢理だそうと考えたらこうなりました。
3戦のうちに先に2勝ってルールにしてしまうと、何本取られても結果的にその試合に勝てばいいという考えになり、試合の真剣さが微妙に欠けたりしますが、上記のルールだと
1本でも落とすと後に控えている味方がどんどん不利になっていくので、1本たりとも気を抜けない戦いになるという緊張感が出てくると思いました。
ふがいない先鋒中堅が共にボロ負けして、1本でも取られたら負けという状況で奇跡の大逆転を起こした大将とか、めっちゃ格好良さそうです。
●ぼっちはどんすんの?
個人大会で良い成績を残そう! そうすればチームからスカウトされるぞ! 多分! 頑張れ! お兄さんはいつだって君の味方だ!
とまぁ視聴者目線ではありますが、こんな感じにすれば盛り上がれそうな要素は詰め込めたかなと思います。
こんな大会を開くことで、今いる40人近くいるプロプレイヤーのうち最大32人まで存分に日の目を見ることが出来ます。
特に
実力がトップ中のトップまで登り切れていないので毎回配信には映らないみたいなプレイヤーも、チームメートと協力することで多くの人に勇姿を見せることが出来るというのは大きいかもしれません。
こうすることで
30万TAで7分かかっているような人だって大会に臨めますし、
もし桁違いのファンを抱えるがプロトップには登り切れていない配信王や
トップに登り切れていない注目の女性プレイヤーなんかが
いたとしたら、そのファンも含めてチャンスになります。
注目されている(けど実力がトップ中のトップではない)プレイヤーの参加は大会の注目度に大きく貢献してくれることでしょう。
チームに必ず女性を1人入れるルールがある大会みたいなのも面白そうです。
何も個人の実力勝負だけがスポーツの醍醐味というわけじゃない、というところからぷよを盛り上げる方法を考えてみました。
公式が採用しなくとも、非公式の大会でこういったルールを採用してみてはいかがでしょうか?
集まる人数の関係だったりチームを作る手間や難しさの関係で、公式以外で実現するのは中々難しいことかもしれませんけれども、大会を企画されている方は私がここで書いたチーム戦のメリットにも是非注目してみて下さい><